【おススメ科学選書】なんで人間にはしっぽがないの?

スポンサードリンク

今回紹介するのは、しっぽの研究者である東島先生が書かれた小説です。

中学生で勉強や学びが苦手だなと感じている君たち、そして中学生のお子様をおもちの親御様にお勧めしたい一冊となっております。

あらすじ

主人公の千鶴ちゃん(中学生)がいつも相談相手になってもらっていた親戚のおばさんである、しっぽの研究者の杏奈ちゃんが交通事故で亡くなってしまうところから物語は始まります。

千鶴ちゃんは看護師であるお母さんに「役に立つ」ことをしなさいと言われ、中学受験を頑張り志望校に合格するも特進コースには入れず、標準コース、お母さんの期待には応えられずにいました。

そんな時に起こってしまった杏奈ちゃんの突然の死。お母さんは大学に行くことで、何か刺激を得て欲しいという思いから、杏奈ちゃんが残した荷物の整理を手伝うことになるのです。

そして、杏奈ちゃんが残した荷物を整理する手伝いの中で、千鶴ちゃんの学びへの意識が少しずつ少しずつ変化していくのです。

学ぶことの楽しさ


自分も子供の頃に祖母から「あなたは医者になりなさい」だとか、「いったいそんな成績でどうするの?」と怒られ、無理やり勉強をさせられてきました。そのため、お母さんにいろいろと言われている主人公の千鶴ちゃんにとても共感しました。

どうして勉強しないといけないのかは分かっているけども、なかなかできないし、すぐには成績にも結び付いてくれないものです。勉強はやらされて伸びるものではないし、また、それぞれに興味があって才能も人それぞれですから。

特に私の心にぐっときたシーンはお母さんと千鶴ちゃんのやりとりが、かなりリアルに描かれており、なかなか心にささるものがありました。

このシーンは東島先生の実体験を元にしているものなのかな?と思ったのですが、インタビューをさせていただいた時にはそのようなことをおっしゃっていなかったので頭の中に???が広がっていたのですが、この疑問についてはあと書きを読むことで理解しました。


また、なぜご自身を投影されている杏奈ちゃんを最初に故人にする必要があったのかな、と考えていたのですが、後書きを読み、その点についても納得いたしました。死というところも一つのテーマとして扱われていたんですね。


1点だけお母さんが最後まで悪者のまま、仲良くできていない状態になってしまっているので、仲直り、もしくは最終的にはお母さんが千鶴ちゃんのことを理解し、応援されてて欲しかったかなと思います。

やはり、家族って大事ですし、理解を得るのは難しいかもしれませんが、仲良くあってほしいという願望です。なので、千鶴ちゃんの研究物語というような続編も期待しております!!!

また、千鶴ちゃんと共にしっぽの研究に触れる中で、今まさに奥様が妊娠しているので、お腹の中の赤ちゃんにも尻尾ができてたのかなと、見たかったなと改めて思いました。

杏奈ちゃんの「偏差値とか順位とかみたいな一時的な価値観とか、文系•⁠理系や学部みたいな枠に囚われないで、もっといろんな視野で物事や将来や世界を見てくれたらいいなって。いろんな形があっていい、ってさ」という言葉は本当にその通りで、対象とされている中学生だけでなく、お子様をもつ親御様にもぜひとも読んでいただきたい本であると思います!

今回の感想は主に人間関係をメインに書いてしまいましたが、千鶴ちゃんと共に杏奈ちゃんの研究にふれることで、しっぽの研究って面白い!と感じると思います。海外での発掘調査のリアルな描写は。実際に発掘調査を経験された作者である東島先生でしか書けない内容だと思います!!

皆様も、千鶴ちゃんと共にしっぽ研究の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

著者である東島先生のインタビュー動画もぜひ、合わせてご覧ください。

スポンサードリンク