学童保育(K) Kid’s School でサイエンスの時間が始まりました!

スポンサードリンク

2022年4月より奈良市のあやめ池にあるこだま保育園内の学童保育(K) Kid’s Schoolでサイエンスの時間を担当させていただくことになりました✨これまで高の原や東生駒、大阪の北花田、光明池などでも実験教室を担当してきましたが、学童施設では初めてですので、とてもわくわくしております。

3月には体験実験で Kid’s Schoolの皆さん と初めてお会いしましたが、ものすごく元気で明るくびっくりしました。これから皆さんと一緒にいろいろな実験ができることが本当に楽しみです。

私の実験教室では、基本的にその回どんな実験をするのかを決めておりますが、実験時間の中で生まれたアイデアなどを大切にし、危険が無ければできるかぎりその場で実施してもらっています。

例えばこれを混ぜてみたいや、これをもう少し増やしたらどうなるのだろうなどなど。子供たちは好奇心旺盛であり、いろんな疑問や不思議がどんどん溢れてきます。そして、その中で子供たちはびっくりするようなアイデアをたくさん出してくれるので、時に新しい発見が生れることがあるのです。

最近では電子レンジで宝石のルビーを作る実験を高の原で実施したのですが、私が考えたやり方では作れなかった大きさのルビーを作る方法を考案してくれました。

もちろんいきなりそのような発見が生れることはありませんが、実験をたくさん経験し、しっかりと知識を身に付けることで大きな発見が生れていきます。新しい方法を考案してくれた子は2年間通ってくれている子です。

実際の研究でも好奇心から生まれた大発見はたくさんあります。2008年にノーベル化学賞を受賞された下村脩先生は、光るクラゲ(オワンクラゲ)がどうして光るのだろう、その光の不思議を明らかにしたい、そういった気持ちで研究を進め、たくさんのクラゲを採り研究に励みました。そして、1962年には、光るタンパク質(緑色蛍光タンパク(GFP))の単離に成功したのです。

また、そこで先生の思いもよらなかったことがおきます。発見から30年後、GFPは現在の生物の研究では欠かせない存在となりました。なんと、そのタンパク質を使えば、生き物の調べたい場所を光らせることができるため、生きた細胞を外から観察することができるようになったのです。この技術のおかげで、生物学は大きく発展しました。そして、下村先生はGFPの発見が評価され、ノーベル化学賞を受賞されたのです。

先生のクラゲの光の謎を解明したい!という好奇心が世界を変えました。このように世界を変えるような大きな発見や研究の多くは、好奇心から生まれていることが多くあります。ぜひ、他にもどんな研究があるのか調べてみてください。

私たちの生活にはわくわくがたくさんあふれているにも関わらず、大人になるにつれて、常識に囚われ、好奇心が薄れていってしまいます。しかし、皆さんが子供のころはどうだったでしょう。見るものすべてが真新しく、不思議がたくさん見つかったのではないでしょうか。子供たちにはもっともっとそんな好奇心を大切にしていただきたいのです。

その好奇心がもしかすると大きく世界をかえるかもしれません。

また、学ぶことは時に辛いことがあります。試験で点数を取らなければいけない。将来のために勉強しなければいけない。そう言われ、意味を見出せないうちにほとんどの人が勉強、学びを嫌な存在としてしまっています。

私はサイエンスショーを各地で行ってきましたが、その時に必ず『勉強・学び』は好きですか?と質問しています。面白いことに幼稚園児たちはほとんど全員が勢い良く好きと答えるのに、小学生は半分くらい、中学生、高校生になるとほとんどの人たちが勉強、学びは嫌いと答えるのです。そんな状況で本当に良いのでしょうか。

本来学ぶことは楽しいことです。なんでだろうと思ったことを理解できた時の喜び。自分が学んでいることが繋がっていく感覚、これらは幸せを感じれる1つの体験ではないでしょうか。ぜひサイエンスの時間で実験、科学を通して、それらを体験していただきたいと思います。また、学びがいつもだも楽しいものへと変えていきます。

4月の実験

4月の実験テーマは「水溶液」でした。水にものが溶けることは感覚的にわかっていてもきっちりと説明できる人は少ないのではないですか。

どんなものが溶けてどんなものが溶けないかを実験で確かめ、溶けるとはどういうことなのか学んでいただきました。

実験の1つで水溶液を使ったスライム作りをしました。スライムは洗濯ノリ(PVA)とほう砂水溶液を混ぜることでできます。洗濯ノリはポリビニルアルコールというプラスチックの仲間で、鎖状になっています。ねばねばするのは鎖状だからです。

この鎖がほう砂によってどんどん水を含みながら繋がっていくのでスライムとなります。今回は色を付けただけのスライムだけではなく、シェイビングフォームを使用してふわふわのスライム作りにもチャレンジしてもらいました!本当に触り心地が癖になります。

スライムはお家に帰って冷蔵庫に入れて保冷剤にしたり、塩をかけてスーパーボールにしたりすると面白いですよ。サイエンスの時間だけで終わらせるのではなく、気になったことはどんどんおうちでも挑戦してみてください。

さらには夜になると光るスライムも作ってもらいました。使ったのは「蓄光顔料」。光を当てておくと、しばらく光ってくれます。夜光らせて楽しむだけではなく、身の回りのどんなところに使われているのか探してみてください。するとどんなところに使えばもっと良くなるかもしれない!こういうアイデアが生まれてくるかもしれません。

いろんな実験に挑戦していただいたので、もう水溶液のことはしっかりと説明できるようになりましたね。でも、使わないと忘れてしまいます。日常の中でも水溶液はたくさんあります。どんなところに水溶液があるのかも探してみてください。

さいごに

私は実験教室の先生ですが、すべてのことがわかるわけでは無いです。しかし、お家や学校で疑問に思ったこと、不思議に思ったことも気軽に教えてください。そんなときは一緒にそれはどうして考えていきます。そこからまた新しい実験がうまれることかもしれません。

また、私はプロの研究者の方にインタビューをする企画くもMLABのお仕事もしているため、研究者の方々と繋がりが多くあります。そのようなつながりもどんどん使ってください。

Kid’s School の子供たちにもこれからいろんな実験に挑戦していただき、様々なことを学びながら好奇心を追究していって欲しいと思っております。 これからKid’s School のみんなと実験することで、どんな発見が生れてくるのかとっても楽しみです。

ここまでしっかりとブログを書くのはもしかしたら初回だけかもしれませんが、今後とも月1の報告としてブログは更新していく予定です。これからどうぞよろしくお願いいたします。

5月のテーマは『表面張力』です。おもしろい実験がたくさん出てきますので、楽しみにしておいてください。

スポンサードリンク