皆様こんにちは。今回は学童保育(K) Kid’s School 5月のサイエンスの時間の報告です。報告が遅くなり申し訳ございません。
5月のテーマは「表面張力」。2週にわたり、水の不思議を体験していただきました。
表面張力!
この地球に生きるものたちには欠かせない水。水は当たり前に私たちの身の回りにあり、何気なく毎日飲んだり、使っていますが、実は水にはたくさんの不思議が隠れています。
そして、その一つが今回のテーマでもある「表面張力」です。水はとても表面張力が大きな物質なのです。
そのことは身近なところでもたくさん観察できます。例えば、コップに水を満タンに入れると、水が盛り上がって落ちそうで落ちませんよね。もちろん、たくさん入れてしまうと重力に負けてしまい、落ちてしまいますが、とっても大きくふくらんで、水が落ちないことを観察することができると思います。
また、他にも田んぼや水たまりをすいすい泳いでいるアメンボ。アメンボは水の表面張力が大きいことを利用して水面を走っているのです。
他にも水滴が丸い理由、また、水滴同士を近づけてあげると、すっとくっついていく。これらも水の表面張力が大きいことが関係している現象です。
サイエンスの時間では、子供たちにアメンボのように1円玉を浮かすことにも挑戦してもらいました!
みなさん上手に浮かばせてくれて、中には50個以上も浮かせてくれる子もいましたよ。
浮かせた1円玉同士が勝手にくっついていったよ!どうしてかな?
どうして1円玉は水の上に浮くの?
本来アルミは水よりも密度が大きいため(2.7 g/cm³)、水に沈んでしまうはずです。しかし、1円玉を縦ではなく、横向きにそおっと水面においてあげると沈まずに浮いてくれます。
浮いている1円玉をよく見ると、水面が凹んでおり、その上に1円玉が乗っていることがわかると思います。つまり、船のように浮いているのではなく、水の上に1円玉は乗っているのです。
これは、1円玉の重さよりも表面張力の方が大きいため、1円玉は沈まないということなんです。
では、なぜ水は表面張力が大きいのか?
水は水素原子2個と酸素原子1個からできています。酸素は水素に比べると電子(-)を引っ張る力が強いため、水素の持つ電子を引っ張り、電気的な偏りが生じます。つまり、水分子は+と-をもつということです。
+と-はお互いに引き合うため、水はお互いに引っ張り合っているということになります。これがまさに水の表面張力が大きい理由であり、水はいろんな物質の中でも特にこの引っ張り合う力が強いのです。
ここまで話せばこれまでの現象がどうして起きるのかがわかったのではないでしょうか。
水はこのおかげで、物をよく溶かしたり、高い沸点を持つなど、いろいろな性質をもっています。まさにこれが生き物に水が欠かせない理由となるのですが、ここからは自分で調べてみてください。
表面張力を弱めるもの
次に1円玉がたくさん浮いているところに洗剤を垂らすと、1円玉は一気に水の中に沈んでいきました。
洗剤を入れると、水の表面張力が弱まってしまうのです。
洗剤は界面活性剤と言って水と油の両方に仲が良い形をしています。そのため、油と仲が良い部分は水と仲が悪いため、水の外に向き、水と仲が良い部分は水とくっつくので、水面にどんどん並んでいきます。
そうすることで、水の表面で働いていた引っ張る力は弱まってしまい、1円玉を支えることができなくなって水の中に落ちていってしまいます。
アメンボが浮いているところには絶対に洗剤を垂らしてはいけませんね。
水は水の惑星に住む生き物たちには無くてはならない存在であり、不思議がたくさんつまった物質です。ぜひ、今回の実験を機に水をよく観察してみてください。
さいごに
今月も皆さんたくさん手を挙げて自分の考えを発表してくれました。
また、表面張力を利用した科学おもちゃ「トルネード」も作製していただき、皆さんとても上手に渦を作ってくれました。
ぜひ、お家でもたくさん実験してみてください。
来月は「大気圧」をテーマに実験していきます。