レコードはどうやって音を出しているの?原理を簡単に解説!

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CDの普及とともにレコードは見かけなくなりましたが、、ここに来てレコードに再び注目が集まっています。なんと、2018年、29年ぶりにソニーもレコードの生産を開始しました。

2002年に100万枚の売り上げを切ってから、一時ははその10分の1まで落ち込んでいたレコード。しかし、現在はなんと100万枚に勢いを戻しています。

では、なぜレコードに注目が集まっているのか?それは、CDよりも自然の音を出せる。音をそのままレコードに録音できるからです。また、若者の流行になっているそうです。

逆に、CDはどうでしょう?CDは人間の聞ける範囲の周波数の音を分割し、データとして録音しています。音の波を1秒間に4万4千回にも分けて記録するため、人間の耳では違和感無く聞くことができるのですが、細かく分ければ分けるほど、データの量が膨大になってしまいCDには収まりきらなくなってしまうため限界があります。

CDのこのような録音方法では、どう頑張っても本来の音ではなくなってしまいます。一方、レコードの場合、人に聞こえない周波数の音までも、そのままレコードに記録しています。そのため、自然な音、心地よい音に聞こえるというわけです。

人の聞くことのできる音域を『可聴域』と言いますが、個人差が大きく、人が聞こえない音域にも癒し効果があると言われています。本来ピアノやオルガンが奏でる音域だけではなく、人の声にも可聴域外の音は含まれているため、レコードが心地よく聞こえるのはそのせいなのでしょう。

今回はそんなレコードについて、また、音とは何か?説明していきましょう。

1.音

音は『波』であり、音は空気や物体を振動して伝わっていきます。音が振動や波であることは、太鼓の表面を見ればわかりますよね。太鼓をドン!と叩くと、太鼓の表面はもの凄く波打ちながら、振動しています。この振動が空気を伝い、私たちの耳に届いているのが音ということです。

また、私たちはどんな音も聞けるわけではありません。音によっては聞こえない音も存在し、人の聞こえない音を『超音波』と呼んでいるのです。超音波はそんなに凄いものではなく、ただ人に聞こえない音というだけ。

私たちは目で物を捉えますが、イルカやコウモリたちは、視覚の代わりに超音波で物を確認することができます。私たちとは見えている世界が全然違うのでしょう。

また、音には高い低いがあります。この違いは波の波長によって決まるわけです。高い音は波長が短く、低い音は波長が長い。そして、この波が1秒間にどれくらいあるかを現したのが、『周波数』です。

レコードもCDもこの音の振動を記録したもの。アナログか、デジタルかの違いということです。

2.レコードの歴史

レコードの歴史は今からなんと約150年にも遡ります。蓄音機を発明したことでエジソンが有名ですが、エジソンがレコードを発明したわけではありません。

レコードの元となる最初の発明者はフランスのレオン・スコットであり、その発明品はフォノグラフと呼ばれています。これは、振動をキャッチし、針でその振動を、ススを付けた紙に記録することで録音していました。

また、フォノグラフは私たちが想像するレコードのように、音楽を記録するものではなく、音声を記録するものでした。そして、これを一般的に改良したのがエジソンなのです。

エジソンは今までにあった技術を参考に、さらに良いものを、一般的なものを生み出したので、有名になれたのです。エジソンの発明史上最も有名な白熱球も、もともとエジソンの発明ではなく、フィラメントを竹に変えることで、長持ちさせることに成功させたのであり、白熱球自体を発明したのはジョゼフ・スワンです。

そして、1877年に家庭用として、円筒式レコードを発明したのがエジソン。結果的には後に出てきた円盤式のレコードに、負けてしまうことになっていますが、、、今でも円盤型のレコードは使われています。とはいうものの、エジソンは偉大な発明家には間違いありません。

では、レコードはどのようにして、音を記録しているのでしょうか?

3.レコードはどうやって音を出しているの?

レコードにおける一番初期のフォトグラフは、紙にススを塗って振動を記録したといいました。レコードも原理的には全く同じであり、現在ではプラスチックに記録しているのです。

音は振動ですよね。その振動を針でプラスチックでできた、レコードに刻んでいます。そして、再生する時には、その刻まれた傷を針でなぞっていくことで、記録されていた振動が再現されるというわけです。

これは、実際に自分でも簡単に試すことができます。紙コップ、プラスチックの板、針、ろくろのような回転させれる物を用意してください。そして、プラスチックの板をろくろで回転させ、紙コップに針を装備。

紙コップに声を吹き込むと、当然針に振動が伝わります。この振動が伝わりながらプラスチックを削るので、録音は完了です。もう一度削った部分に針を当て、プラスチックを回転させればあなたの声が聞こえるはずです。

レコードはこれと全く同じ方法で、音楽を録音しているわけです。したがって、CDとは違い、振動をそのまま記録していることがお分かりいただけたかと思います。

つまり、可聴域、可聴域外も関係ないということです。どうりで自然に近い音が奏でられるわけですね。

また、レコードの生産は一枚一枚針で削って録音しているわけではありません。さすがに1枚1枚やっていたら大変ですよね。アルミで録音することで原板を作成し、できた傷を型取ります。

歯医者で詰め物をする時、歯の溝の形を取りますよね?まさにそれと同じことです。できた型は凸になっているわけです。それをプラスチックに押し付ければ、傷を再現したことになり、こうしてレコードは大量に生産されています。

4.さいごに

最近では技術が進み、表面上の結果しか見えてこないことが多くなっていますが、ひと昔前は一目瞭然、原理が分かる。というような物が多かったのかもしれません。

現在はパッと見てその仕組みが分かるものの方が少ない気がします。そして、それが当たり前となってしまっているんですね。でも当たり前を当たり前のことにしてはいけないと思います。

色んな所に不思議は溢れていますから。

技術の進歩とともに、私たち人間も進歩していかなければいけないのでしょう。そのためにも身の回りにあるたくさんのことに、どんどん興味を常にわかせてください。

【生き物たちと音】

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