このお話はなんとなくしたかったからという理由で、ママチャリに乗り、茨城県~奈良県まで行ったお話のその3です。
どうか、最後までぜひ読んでいただきたく思います。
そしてここまで読んでくださった方々に感謝申し上げます。
ありがとうございます!!
その2を読んでいない方はこちらからどうぞ。
では、さっそく3日目に入っていきます。
1.懐かしの渋沢駅
3日目はあいにくの大雨です。
いよいよ台風が日本列島にまじかに迫っていたので当然。
友達が7時に家を出るということで、私も同じく7時に出発することにしました。
鍵が番号式のため初日のようにはいきません。
そして、この日は今までで一番進まなければいけないのです!
4日目に名古屋の友達の家に行く約束をしていたので、なんとしてでも、浜松くらいまでは行っておきたいところ。
どこまで行けるかわからなかったので、無謀にもまだ宿は取っておらず、昼に宿を決めることにしていました。
この旅ではこの日だけビジネスホテルに泊まっています。
さて、大雨ではありますが、順調に進んでいきます。
前回、説明したように私は以前、秦野市に一か月ほど住んでいたことがあります。
最寄駅は秦野駅ではなく、もう少し行ったところにある渋沢駅でした。
渋沢駅が見えた時は本当に懐かしくなりました。
当時ポケモンGOが配信された直後で、老若男女みなポケモンGOをしていました。
近くにあった運動公園では、大きいけれどそこまで人が集まる公園ではないのに、どこからこんなに人が来るのだろうというくらいの人がいました。
しかも夜中まで!
影響力すごいですよね。
そして、渋沢駅前でカイロスを初めて捕まえたこと、フシギソウをボールが無くなって捕まえれなかったこと、同期たちとカビゴンがいてテンションが上がりまくったことを思い出しました。
全部ポケモンGOの思い出になってしまっていますが、そんなことはありません!
行きつけの銭湯で語り合ったこと、友達に毎日飯を作ったこと、必死に工場で研修したことなどなど、それらももちろん良い思い出です。
しかし、早く先に進まなければいけない私は、そんな懐かしの渋沢駅に早々と別れを告げ、足を進めます。
ここで立ち止まるわけにはいかないのです!
人生も!そしてこの旅も!
渋沢を過ぎると段々と山に近づいてきました。
いよいよここから本番だなというような感じです。
昨日までのようにはいきません。
小田原線沿いに246号線を永遠と進みます。
車道しかなく、歩道がない山道はわかってはいましたが、きついです。
途中歩道があったと思って入って漕いでいると、ほとんど人が通らないでみたいで、草木が茂りすぎて私を傷つけるのでした。
イージスが無ければ、もはや切り傷だらけです。
本当に守られています。
車に迷惑をかけないように必死で漕ぎますが、恐らく相当邪魔だったと思います。
それを気にしていたら1mmも進めません。
必死にこぎ続けます。
山道、開けた田舎町、山道、開けた田舎町、を何回か過ぎていくといつの間にか静岡県に、ついに富士山が差し迫ってきました。
雨が勢いをまし、相当な土砂降りになっていたので、少し恐怖を感じるのでした。
2.きつかった富士の麓
大雨の中、やたらと開けたところを進んでいきます。
ここはいったい何なんだろうと思っていると、前からもの凄い大きい車が!
そうです。
自衛隊の演習場が両サイドにあるようです。
ここからは絶対立ち入り禁止ゾーンなどと、いたるところに書かれていました。
大雨の中大荷物でさらにママチャリで激走している人間は、自衛隊の人からどう見えていたのだろうか気になるところです。
野生のシカに遭遇したり、順調に進んでいたのですが、いよいよ鬼のような坂道に差し掛かりました。
さらに雨は降ってきて、もうシャワー状態です。
坂道がうっすらと川のようになってきており、もうダメかもしれない。
心が折れそうでした。
しかし、こんなところでのたれ死ぬわけにはいかない!
不安を打ち消すために、大声でロードオブメジャーの心絵を熱唱し、なんとか登っていきます。
あ、GreeeNとロードオブメジャーが好きなんです。
登っている途中、道が2手に分かれていました。
ここまでは、なんの迷いもなくグーグルが示している方へ進んでいったのですが、示す先は車の交通量も多く、地図上で下の道の方が少し遠回りだけど楽そうでした。
意を決して地図上の下の道へと変更します。
そこにつくまでは下り坂でした。
こっちの方が絶対楽やん!
そう思いながら進んでいましたが、着いた瞬間、絶望しました。
グーグル先生に素直に従っていれば良かった。
雨で太陽が出ていなかったので薄暗く、車通りもほとんどありません。
とても嫌な感じがする道でした。
しかもさっきよりも険しい山道、なんてことをしてしまったんだ。
しかし、来た坂道をもう一度上る気にもならないので、前に進むしかありません。
必死で坂を登るのでした。
ここで目を閉じたらどうなるのだろうか、寒さと不安で心が埋め尽くされていきます。
なんとか前には進みますが、もう私には歌う元気も残されていません。
もうあかんかもしれへん、、、、、
そんな時!
一筋の光が差したのです!!!
私を励ましてくれる看板が!!!
富士!サファリパぁあああク!!!!♪
看板はさびれててはいたものの可愛いイラストに、
もうすぐ富士サファリパークだと書かれていました。
謎に頭に残るあのメロディ!
関西人はあまり知らないかもしれませんが、知らない方はぜひYoutubeで!
そこからは永遠と富士!サファリパァァァアアアク!と歌い続けました。
本当に富士サファリパークには助けられました。
こんなに言ってますが、一回も行ったことがないので、今度はちゃんと行きたいと思います!
やっとの思いで富士サファリパークにたどり着き、そこから少し行けばもう後は坂を下るだけでした。
案外富士の麓も余裕だったな!
という気持ちもつかの間、坂道では雨が容赦なく私の顔面を打ち付けます。
前は見にくいし、これがまたものすごく痛いのです。
ブレーキが思うように効かず、とてつもないスピードで山を下っていきます。
ハンドル操作を一歩間違えれば、即死してたんじゃないかというようなスピードです。
上り坂よりも下り坂の方がだいぶ危険ですね。
なんとか死なずに富士市までたどり着くことができました。
朝からなにも食べていなかったのと、精神的な疲労でもうお腹がぺこぺこ。
少し休憩+今日の宿を探すことにしました。
3.相変わらずのマクド
雨は富士の麓を抜けてからは嘘のように回復していました。
もう時間は昼を過ぎ、2時が近い時刻です。
どこにしようか迷った挙句、結局、小さなイオンモールに入っていたマクドに決めました。
せっかく富士市まで来ているんだから名物を食えよ!
そう思われるのが当然ですが、もはや富士の麓を乗り越えた私には探すエネルギーもなかったのです。
何か口にしたい!
そんな時にあのMのマークを見てしまったら入るしかないじゃないですか!
世界一つみなMマークです。
しかも服装がイージス装備ですからね!
安定のナゲット、チーズバーガー、チキンクリスプを頼み、いざ宿探しです。
できれば浜松まで行きたいと思い調べましたが、まだ100キロもあるじゃないですか!
さすがに10時チェックインには間に合わなさそうだったので諦めます。
手前の袋井という駅に、お手軽価格のコスモインがあったので即決しました。
さぁ袋井を目指して再出発です!
4.国道1号線
この旅で印象的だった国道の1つが国道1号線です。
とてつもなく大きい道路で、自動車専用と歩行者専用がきちんと分けられているところがほとんどでした。
富士市から静岡市に向かってはほとんどが国道1号線で行くことになります。
やはり大きな道は走りやすいですね。
そして静岡市が近くなると1号線をそれて、線路沿いを走っていきます。
5時を過ぎ、だんだん暗くなってきました。
ついに静岡駅です。
さっきまでが田舎だったとは思えないくらいの大都会。
どうやら静岡は静岡駅付近がもの凄く発展していて、それ以外はそんなになようです。
あくまで私の印象ですが。
しかし、まだまだ袋井は遠く、50キロ以上あります。
正直もうあきらめたくなっていましたが、ホテルを予約していたので、なんとしてでもチェックインの10時までにたどり着かなければいけません。
そのため、静岡駅には見向きもせずにひたすらこぎ続けます。
しかし、静岡駅を過ぎたあたりで事件が起きてしまうのです!
5.ゴルフボールの産卵ならぬ散乱
恐らくですが、安部川の大きな橋に差し掛かった時です。
学校帰りの女子高生が同じくらいのスピードで私の前を走っていました。
思い切って抜かそうと思い、橋を渡り切った所で抜かしたのですが、抜かした直後の信号で事件は起きました。
信号に引っかかり、しばらく待って青に変わりました。
勢いよくスタートした瞬間。
段差の衝撃でかごに入っていた荷物が宙にまいそうになります!
必死で抑え、ひと安心と思いきや、なんと20個ほどのゴルフボールが散乱してしまったのです!
このゴルフボールは行く直前に託された先輩からのプレゼントです。
なんで今?と思っていましたが案の定。
入れていたビニール袋からゴルフボールが産卵ならぬ散乱しました。
なんということでしょう。
この旅一番の悲劇。
道路に散らばったゴルフボールに一瞬、頭が真っ白になりかけました。
しかし、そんなことをしている場合ではありません。
ゴルフボールを拾わなければ皆さんに迷惑が掛かってしまいます。
刻一刻と信号が赤になる時が迫っている中、必死に集めます。
なんとその時です!
先ほど抜かした女子高生が自転車を止めて、降りてくるではないですか!
て、天使か??
そして、一緒にゴルフボールを拾ってくれたのです。
なんという優しい人なのだろうか。
私は救われました。
おかげで無事、信号が変わるまでに拾い終えることができ、難を逃れることができました。
その女子高生は拾い終えるとすぐに行ってしまったので、ありがとうございましたと一言しか言えませんでした。
見ず知らずの大量に荷物をもった男の人で、さらに落としたのはなぜかゴルフボール。
そんなわけのわからない私を助けて下さった女子高生に本当に感謝です。
恐らく二度と会うことはないかもしれませんが、もう一度きちんと感謝の言葉を伝えたいものです。
そんな事件もあり、再び国道1号線へと戻ってきました。
さらに山を超え、いよいよ袋井までのラストスパートをかけます。
最後の峠越えは街頭一つない真っ暗な山道で、本当に怖かったです。
初めてあんな真っ暗な山の中で一人になりました。
頂上にあった自動販売機にどれほど心を癒されたか、心を落ち着かせるために思わずジュース2本買ってしまいました。
6.コスモイン袋井
峠を超え、気づいた時には新幹線の線路の隣を走っています。
袋井駅はもうすぐそこです。
時刻は9時を回り、人通りも車通りも少なくなってきていました。
それでもひたすら前に進みます。
掛川駅を過ぎ、いよいよ袋井駅です!
本当につく直前、グーグル先生が鬼畜な道を示しだしました。
どろんこ道ではないですか!
富士の麓では従った方が良かったけれど、こちらは従わない方が良かったです。
本当にここであっているのか、ちゃんとした道に出た方が良いのではと不安になりながらも必死で進みます。
それでもやっとの思いで10時前にコスモイン袋井に付くことができました。
ファミマも隣接している好立地!
そしてまさかの大浴場があるではないですか!
値段だけ確認し、全くその辺は気にしていなかったので、本当にラッキーです。
急いで大浴場に向かいます。
そこではおじさまが一人、すでに入浴されていました。
今日は全く人としゃべっていません。
女子高生と一言会話しただけです。
いや、会話とはいいませんね。
寂しさからいっそ、おじさまに声をかけようかと本当に迷いました。
しかし、ビジネスホテルに泊まっておられる方なので、仕事でお疲れに違いない。
しゃべりかけたい気持ちを押し殺し、一人でひたすらマッサージするのでした。
もちろん足ですよ。
この日は今までで一番の長距離158キロをこいだので、本当に体中が痛かった。
隣接していたファミマでパスタを購入。
明日に備えてすぐに就寝することにしました。
つづく!