なぜお風呂に入ると手や足がふやけてしまうのか?浸透圧との関係

2018年11月4日身体の科学

寒い時期にはゆっくりと湯船につかり、体を温めたい,ものです。

しかし、お風呂に長い時間つかると、手足がしわしわになってしまいませんか?

つまり、手足がふやけてしまうということです。

ふやけすぎるとなんだか気持ち悪いですよね、、、

いったいなぜ手や足はふやけてしまうんでしょうか?

一方で温泉ではどうでしょうか。

せっかくの温泉なので、長時間入っていたいです。

しかし、家でお風呂に入った時と違い、長時間入っても手足がふやけていないことに気づくかもしれません。

このように全ての温泉でというわけではありませんが、温泉だと長時間入っても手があまりふやけない場合が多いと思います。

不思議ですよね!

いったいなぜなんだ!

自宅の風呂と温泉にはいったいどのような違いがあるのでしょうか?

1.手や足の皮膚

手や足を含む私たちの身体全体は、皮膚で覆われています。

皮膚が無ければ筋肉むき出しの人体模型みたいな状態になってしまうでしょう。

このように皮膚で覆われていることは非常に重要なことであり、様々な菌やウィルスたちから身を守っているのです。

さらには体の水分の保持や体温の保持、また皮膚には神経が通っているので、熱いや冷たい、痛いなどを感じることもできます。

皮膚がなく、むき出しだと間違いなく困りますよね。

そんな皮膚の表面の表皮は、約0.2ミリ(もっと薄いところもあります)しかありませんが、さらにその中でも4つにも分かれています。

上から順番に、角層、顆粒層、有棘層、基底層です。

基底層で新しく分裂した細胞がどんどん上へと上がっていきます。

つまり、基底層→有棘層→顆粒層→角層と上がっていくわけです。

この一番上、つまり一番表面にある角層はすでに死んだ細胞で形成されています。

肌をこするとあかがでますよね?

このあかは角層が剥がれ落ちたものなのです。

そして、実は手や足のふやけにはこの『角層』に原因があるのです!

2.手や足がふやけるのはなぜ?

手や足の皮膚の一番上には、先ほども説明したように角層があります。

お風呂に入るとこの角層にだんだんと水分が入ってきてしまうのです。

角層に水分が入るということは、角層が膨らむということです。

しかし、角層は膨らみますが、下の細胞たちは膨らまないので、角層はしわとなってしまうわけです。

つまりこのしわこそが、手がふやけるということなのです。

しばらくすれば元に戻るのは、角層に入ってきた水分が蒸発することで、角層の膨らみがなくなるからです。

ん?まって!!!

ふやける理由はわかったけど、全身皮膚でできているのになんで手や足だけがふやけるの?

もちろんさらに長時間風呂に入れば全身ふやけます。

しかし、のぼせてしまうのでそんなになるまではつかれませんよね。

手や足は他の場所と比べて角層がかなり厚くなっているのです。

そのためしわになりやすい。

つまり、ふやけやすいということです。

では、なぜ温泉ではあまり入ってこないのに、自宅の湯船だと角質に水が入ってきてしまうのでしょうか?

3.温泉と自宅のお風呂の違い

細胞は『半透膜』というものでできています。

この半透膜は溶けている大きな物質は通さず、水分子などの小さな分子は通すことができる膜です。

このせいで角層へと、水分が入ってきてしまうのですが、ここには『浸透圧』が関係しています。

浸透圧とは濃度が濃いところにそれを薄めようと、同じ濃度にしようと働く力です。

簡単な例でをあげましょう。

濃い食塩水と薄い食塩水をこの半透膜で隔てると、同じ濃度にしようと水だけが薄い食塩水から濃い食塩水の方へと、流れていくのです。

このような水の移動が皮膚でも起きているというわけですね。

では、実際に皮膚で考えてみましょう。

汗をなめたらしょっぱいのでもちろん角層は濃い食塩水側になります。

一方、お風呂は水道水ですよね。

つまりまったくしょっぱくありません。

つまり薄い食塩水ということになります。

では、お風呂につかりましょう。

すると、角層の濃度を薄めようとお風呂のお湯が入り込んできますよね。

そうすることで角層が膨らんでしまうというわけです。

では、温泉ではどうでしょうか?

温泉には塩類がたくさん溶けているので、角質に水分が入ってきにくくなっているのです。

どっちも濃い食塩水ということはつまり、手や足がふやけにくいということですね!

もちろん成分にもよります。

温泉には低張性、等張性、高張性と三種類あり、水分の入りやすさも異なってきます。

低張とは体の成分よりも塩分濃度が少なく、等張は同じくらい。

最後の高張は塩分濃度が高いということです。

温泉にも様々な種類があるんですね!

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4.さいごに

なぜ人の手はそもそもふやけるような構造になっているのでしょうか?

あくまで推測のお話ですが、手や足がふやけるのは水での作業をしやすくするためだともいわれています。

手がふやけることで物をつかみやすくしたり、足がふやけることで水にぬれていても滑りにくくなったり。

はたして真相はわかりませんが、ふやけることにはマイナスだけではなく、プラスとしても考えることができるようです。

個人的には気持ち悪いのであまりふやけて欲しくはないですけどね。

ただ、ふやけ易い人はお肌が乾燥気味になってしまったりと、注意が必要だそうです。

【浸透圧関係の記事】