【2018年ノーベル医学生理学賞】本庶氏の研究とは!?解説します

2018年ノーベル医学生理学賞に日本人の本庶佑京都大学特別教授が受賞されました。

日本人のノーベル賞受賞者は26人目となる快挙で本当にすごいですよね!

おめでとうございます!!!

今回の受賞はアメリカのテキサス大学のジェームズ・アリソン教授との共同受賞で、ガンに関する研究での受賞となりました。

そして、ガン研究での共同受賞ということですが実は2人のターゲットとしたものが異なるのです!

では、2人の研究とは一体どのような研究なのか?今回は簡単に解説していこうと思います。

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1.本庶氏の研究『PD-1』

2人ともガン研究での受賞となったわけですが、その研究は少し異なります。

本庶氏がターゲットとしたのは『PD-1』。

そして、アリソン氏がターゲットとしたのが『CTLA-4』なのです。

と言ってもなんのこっちゃとなってしまうと思いますので、まずは本庶氏がターゲットとしたのは『PD-1』から説明していこうと思います。

『PD-1』はT細胞表面に発現する受容体で、1992年に本庶氏の研究室の大学院生であった石田氏らによって同定・命名され、発見当初はその機能について詳しいことが分かっていませんでした。

自己を攻撃するようになってしまったT細胞が自らアポトーシスを誘導する重要なファクターであると願い、Programmed Death-1からPD-1と名付けられたのです。

本庶氏はこの『PD-1』を研究し続けていましたが、思うような結果が得られませんでした。

しかし、1999年、PD-1遺伝子を欠損させたノックアウトマウスを作製したところ、そのマウスは脾臓が腫大化するなどの自己免疫疾患エリテマトーデスに近い症状を示したことから、『PD-1』が免疫反応においてT細胞を抑制する働きを持つことが証明されました。

その後、ガン細胞表面にはT細胞の『PD-1』と結合することができるPD-L1/2を多く発現していることが分かったのです!

つまり、ガン細胞は攻撃してくるT細胞の表面にある『PD-1』に結合することで、T細胞を自殺に追いやって自らを守っていたというわけです。

さらに『PD-1』の研究は進められ、小野薬品工業と共にガン細胞がPD-1とくっ付かないようにブロックする治療薬「オブシーボ」が開発、実用化され、肺がんや腎臓がんなどに使用され成果をあげているわけなんですね。

では、アリソン氏がターゲットとした『CTLA-4』とはどのようなものなのでしょうか?

2.アリソン氏の研究『CTLA-4』

アリソン氏がターゲットとしたのは『CTLA-4』です。

この『CTLA-4』は1995年にフランスの研究グループによって発見され、『PD-1』と同じくT細胞表面にあります。

しかし、この『CTLA-4』はガン細胞と結合するわけではありません。

樹状細胞と結合するのです。

ガン細胞を攻撃した樹状細胞がその断片をT細胞に提示し、T細胞を活性化させることで成熟、増殖を促すのですが、しばらくするとそれ以上は増えすぎちゃだめだよ!というようにストップがかかります。

そのブレーキこそが『CTLA-4』。

つまり、樹状細胞が『CTLA-4』と結合することで、T細胞の活性化をストップさせていたということなんです。

そこで、アリソン氏はこの『CTLA-4』に樹状細胞がくっ付くことを阻害できれば、ガンに対する免疫力が向上するはず!と考えたわけです。

そして、1996年ガン細胞を移植したマウスに対し抗CTLA-4抗体を投与した結果、ガンが消失したことを発表しました。

このように『PD-1』と『CTLA-4』は共にT細胞表面に存在し、その働きを抑制することに大きく関わっていたのです。

2人のT細胞受容体の基礎研究が評価され、今回ノーベル医学生理学賞に受賞されたというわけですね!

さいごに

国立ガン研究センターの予測によると2018年にガンで死亡する人数は37万人を超えると予想されています。

このように多くの人々がガンで苦しんでいるので、このようなガン研究がさらに発展していって欲しいですよね!

また、今はガンになっていませんが、いつガンになってもおかしくはありません。

明日は我が身というように定期的な検診に行くなど、ガンではない人たちも十分に気を付けた方が無難であると思います。

今回のノーベル医学生理学賞のように基礎研究が実を結ぶことは多くありません。

なぜなら実用化されるものや、お金になるような技術や研究はたくさん費用がでますが、それ以外の研究には費用が出にくいからです。

しかし、基礎研究は何よりも大事なことであり、基礎研究無くして技術の発展はできません。

少しでも研究者の方々が、安心して研究に専念できるような環境になっていって欲しいですね。