低温でも火傷するのはなぜ?身近な耐寒グッズにもやけどの危険が!?

2018年11月5日身体の科学

11月も終わりに近づき、かなり寒くなってきました。

布団も入る前は、冷え冷えの状態です。

そんな時に役立つのが、あんかや湯たんぽなのではないでしょうか。

布団に入る前から温めてくれるし、足元があったかくなると本当に気持ちよく眠れます。

逆に朝、布団があったかすぎるので出る時は拷問ですけど(笑)

また、この時期はカイロなどの携帯できる寒さ対策は必須です。

カイロやあんか、湯たんぽのようにめちゃくちゃ熱くはないんだけど、私たちを温めてくれるものにも実は危険があります。

それが、『低温やけど』です。

私の思い出話になりますが、弟が小学生の時にあんかで足首が低温やけどになりかなりびっくりした記憶があります。

放送NGレベルのグロさです。

しばらくずっと治らなかったですし、15年くらいたった今でも跡が残っていますね。

それ以来自分は絶対になりたくないので、かなり注意するようになりました。

では、なぜ低温やけどが起こってしまうのでしょうか??

100℃ならやけどするのはわかりますが、低温なので大丈夫!と油断してしまいますよね。

そこで今回はまず、やけどが起こる部分!

つまり、皮膚について説明していきたいと思います。

皮膚を知ることで、どこにどのような影響が起こって、低温やけどが起こるのか?

その答えをさらに理解することにつながると思います。

1.皮膚

皮膚はたくさんのことから私たちの体を守ってくれています。

例えば、ウィルスや微生物などの外敵、さらには太陽からの紫外線などから守ってくれており、皮膚が無ければ私たちは生きていけません。

また、皮膚には感覚を感じることができる受容細胞があるので、触覚、痛覚、温度覚、圧覚をそれぞれ感じることができます。

この偉大な皮膚は、大きく三つの構造で成り立っているのです。

一番表面に近いのが、そのままで表皮。

次に、真皮、皮下組織と続いています。

では、それぞれどんな役割をしているのでしょうか?

2.表皮

表皮は約0.2ミリ(もっと薄いところもあります)しかありませんが、さらにその中でも4つに分かれています。

上から順番に、角層、顆粒層、有棘層、基底層です。

基底層で新しく分裂した細胞がどんどん上へと上がっていきます。

つまり、基底層→有棘層→顆粒層→角層と順番に上がっていくわけです。

そして、最終的には、角層で細胞が剥がれ落ちることになります。

これがみんなの良く知る ”あか” です。

また、このたくさんの層のおかげで、私たちは外敵から身を守ることができています。

さらに、この表皮には基底膜を紫外線からまもるメラニン細胞があります。

メラニン細胞はメラニン色素を出し、紫外線から基底膜のDNAを守ってくれているのです。

設計図であるDNAが傷ついてしまったら大変ですよね!

日焼けについて詳しくは⇩をご覧ください。

他にも免疫を担うランゲルハンス細胞、物理的な刺激を受けると神経に伝達物質を送るメルケル細胞などもあります。

こんな薄いのにいろいろな細胞が詰まっているんですね。

では、次は真皮です。

3.真皮

真皮は表皮の下にあり、表皮よりもかなり分厚くなっています。

場所によって異なりますが、分厚いといっても1ミリ~5ミリくらいです。

真皮には血管や神経が通っており、表皮へと酸素や栄養を送っています。

また、感覚を感じることができる受容細胞は真皮に存在し、汗を分泌する汗腺、皮脂を分泌し、表面や毛を保護する皮脂腺もあります。

そして、皮膚に弾力性と強度を与えてくれるたくさんのコラーゲンも多く存在し、ここで作られているわけです。

神経も、血管も感覚の受容細胞もと、たくさんの大事なものが詰まった真皮というわけですね。

では、最後に皮下組織です。

4.皮下組織

皮下組織は皮膚の一番下の部分であり、クッションのような役割をしてくれています。

なぜなら、皮下組織は主に脂肪でできているので衝撃を吸収してくれるのです。

つまり、骨や筋肉への負担を減らしてくれているというわけですね。

また、脂肪は熱を逃がしにくいので、体温調節にも重要な役割を担ってくれているのです。

ありがとう皮下細胞!

私たちをいろいろな衝撃から守ってくれていたんですね!

皮膚については簡単にですが、理解していただけたと思います。

では、早速本題に入っていきましょう!

5.低温やけど

普通、もの凄く熱いものを手で触った時、どのような反応をしますか?

ぱっ!と手をその熱いものから離しますよね。

自分では意識せずとも、熱いと痛みを感じたと同時にものすごいスピードで離しませんか?

これは、真皮にある痛点と温点が同時に働き、その情報が大脳までいかずに脊髄から筋肉に信号が送られるからです。

つまり、熱すぎると反射的に手を放してしまうのです。

一瞬であれば表皮の損傷で回避できますし、真皮まで行ってしまっても、触れる時間が短ければ損傷は最小限に抑えられますよね。

反射的な反応は、体を守るための自然な反応なのです。

もし、熱すぎない場合はどうなるでしょう?

ずっと触れていることができますよね!

例えば、そんなに熱くないカイロやあんかなんて、ずっともったり触れていられます。

実はここに問題があるのです。

低温と言っても身の回りに溢れている耐寒用品は44~50℃くらいにはなります。

タンパク質は42℃以上になると、変性を始めてしまうので、低温とは言っても十分に細胞を殺してしまう温度だと言えます。

もちろん、短時間では皮膚の温度が急激に上がることはないのでなんともありません。

ただ、長時間皮膚に触れた状況が起こると、細胞が損傷し、死んでいってしまうのです。

これこそが『低温やけど』です。

もし、熟睡中にあんかが足の同じ部分に当たっていたとしましょう。

熟睡している上に痛さがないのでまったく気づきません。

何時間もその状態が続くと、熱が皮下組織まで到達しその熱がどんどん溜まっていきます。

真皮は血液の流れもあるので熱を逃がすことができますが、皮下組織には血液が通っておらずさらに脂肪という熱を逃がしにくい素材でできているではありませんか!

つまり、長時間低温で温められ続けると、どんどんそこに熱が溜まっていき温度が上昇します。

温度はついに細胞が絶えれない温度となってしまい、皮膚の一番深い部分からやられていってしまうということです。

このように低温やけどは普通のやけどとは違って熱が貯まりやすい内側から起こるのです。

当然のように温度が低いほど、低温やけどまでの時間がかかりますが、温度が高くなると低温やけどが起こる時間は短くなります。

判断が鈍くなるお酒に酔って熟睡している時や、赤ちゃんなどの自分で身動きが取れない場合には特に気を付けなければなりません。

便利な耐寒グッズとはいえ十分に気を付けて使用しなければいけませんね!

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6.さいごに

寒くなってきて、あんかやカイロは必需品となってきます。

しかし、寒いからといって直接足に触れさせないように気を付けましょう!

タオルを巻いたり、少し足から離すことをお勧めします。

また、カイロも肌に直接貼ってはいけませんね!

冬はお酒とお鍋がおいしい季節です。

泥酔してしまって低温やけどにならないように気を付けなければいけません。

安全に!そして快適に冬を乗り越えていきたいですね!

【カイロ】