なぜ鉄は錆びてしまうの?錆びるとは?赤さびと黒さび

2018年9月9日身の回りの科学

私たちの周りには『鉄』が溢れています。

電車や車、線路に自動販売機、橋、スプーンやフォークなど、大きいものから小さいものまでいたるところに使われていますよね。

つまり、鉄は私たちには欠かせない存在であることは間違いなさそうです。

なぜこんなにも鉄が溢れているのかと言いますと、鉄は安く、比較的加工しやすいためなのです。

鉄が扱いやすい金属であったおかげで、私たち人類は鉄と共に文明を発展させてこれました。

私たちがこんなにも不自由無い生活を送れるのも、鉄のおかげというわけです。

本当に鉄には感謝しなければいけませんね!

そんな鉄ですが、役に立っているのは身の回りだけではありません。

私たちの体の中でも重要な役割をになっています。

血液にある『ヘモグロビン』には鉄が含まれているのです。

ヘモグロビンに含まれる鉄と酸素が結びついてくれるおかげで、酸素を体中へと運ぶことができているのです。

鉄は本当になくてはならない存在ですね!

今回はそんな鉄についてのお話です。

鉄でできた看板などを見ると錆びができてしまっていると思います。

なぜ鉄は錆びてしまうのでしょうか?

錆が進行してしまうと、鉄はボロボロになってしまいますよね!

なんとも厄介です。

なぜ鉄は錆びてしまうのか?解説していこうと思います。

1.なぜ鉄は錆びてしまうの?

鉄はもちろん鉄原子が集まってできていますよね。

この鉄原子は原子番号は26番で、Feと表されています。

鉄原子は普段、お互いに手と手を取り合って安定した状態になっているのです。

しかし、雨や酸などの外的要因が加わると錆びてしまうことになります。

では、錆びるとは一体どういうことでしょうか?

それを理解するためには少し原子のお話をしなければいけません。

原子は原子核の周りに電子が周ることでできています。

電子はマイナス(ー)を持ち、逆に原子核には陽子と呼ばれるプラス(+)があります。

この電子(ー)は出て行ってしまったり、余分に持ってしまうことがあるのです。

原子が電子(ー)を余分に受け取ってしまい、電子を多く持つ原子を『マイナスイオン』と呼んでいます。

マイナス(電子)が増えた原子がマイナスイオンなんですね!

反対に、電子を失ってしまった原子は『プラスイオン』と呼ばれます。

マイナス(電子)がへってしまった原子はプラスイオンということですね!

鉄が錆びることにはこのようなイオンが重要になってきます。

鉄原子が手を取り合って並んでいるところに水がやってきたとします。

すると鉄原子のもっている電子が水に奪われてしまうのです。

するとどうなるでしょうか?

鉄原子は電子を失うということは、プラスイオンになるということですよね!

つまり、水のせいで鉄原子は鉄イオン(Fe²⁺)になってしまうのです!

一方、鉄から電子を奪った水でも変化が起こります。

水では鉄から電子を奪ったせいで、マイナスを持つ水酸化物イオン(OH⁻)ができます。

この後さらに鉄は電子を失い、OH⁻とくっついてしまいます(Fe(OH)₃)。

最終的に水分(H₂O)は抜けていき、皆さんが良く知る赤錆び(Fe₂O₃)になってしまうのです。

赤さびができてしまうと鉄はどんどんボロボロになってしまいます。

鉄製品に水は厳禁ということですね!

また、このような鉄のイオン化は空気中の水蒸気によっても引き起こされます。

雨や水にぬれていなくても空気に触れていると錆びてしまうんですね、、

水分によって鉄がイオン化し、酸素と結合してしまうので、赤錆びになっていたのです。

このように酸素が他のものにくっ付くことは酸化と呼ばれています。

つまり、鉄(Fe)は酸化されて錆(Fe₂O₃)に、姿を変えていたんですね!

放置された鉄の看板が錆びてしまうのは、雨と空気中の酸素によるものというわけです。

2.イオン化傾向

鉄はイオンになってしまうことで酸素が結びつき、錆になってしまうというということはお分かりいただけたかと思います。

では、鉄以外の金属はどうなのでしょうか?

もちろん鉄以外の金属も酸素と結びつき、錆びてしまいます。

なぜなら金属はプラスイオンになりやすいからです。

しかし、金属によってイオンのなり易さには差があります。

つまり、錆びやすい錆びにくいがあるのです。

金属イオンのなり易さを順番に並べたものを、イオン化傾向と呼んでいます。

高校化学でももちろん出てきます。⇩

K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb Cu H Hg Ag Pt Au
←イオン化しやすい              イオン化しにくい→

右にいけばいくほどイオン化しにくくなります。

さらに、水銀(Hg)、銀(Ag)、白金(Pt)、Au(金)は安定しているので、水ごときでは酸化されないのです。

つまり、普通に置いといておくだけでは、錆びることはありません。

そして、白金や金は酸化力が強い液体でさえも、ほとんど反応を示さないのです。

金のすごさが改めて感じさせられますよね。

鉄はどちらかと言えばイオン化しやすい、つまり錆びやすいんですね。

3.赤錆びと黒錆び

鉄は赤錆び(Fe₂O₃)になるとボロボロになってしまいます。

しかし、錆びは錆びでも錆び違い。

『黒錆び』という赤錆とは異なる性質をもつ錆があるのです。

この黒錆びはやはり錆びなので鉄が酸化されることでできます。

しかし、できる条件が異なるのです。

鉄を高温で熱すると、表面が黒くなっていくはずです。

これこそがまさに黒錆びです。

鉄が強く熱せられることで空気中の酸素と激しく反応するのです。

その結果、赤錆びではなく、黒錆び(Fe₃O₄)ができるというわけです。

この黒錆びはきめが細かく、表面をコーティングするような感じで覆ってくれます。

黒錆びが表面を覆うことで、下の鉄を守ることになるのです。

この黒錆びはフライパンなでにも使われており、赤錆びによる腐敗を防いでくれているんですね!

ただ、傷がついてしまうとそこから水が浸入し、赤錆が発生してしまうので注意しなければいけません。

錆びにくくするためのコーティングも黒錆びと同じように、表面をコーティングすることで鉄が水分に触れないようにしてくれているのです。

基本的に鉄製品には表面にコーティングがされています。

コーティングは傷つけてはいけませんね!

4.さいごに

鋼ももちろん鉄です。

鉄は鉄でも炭素を数パーセント含んでいる鉄のことを、鋼と呼んでいるのです。

鉄よりも耐久性が高く、しなやかだそうです。

そのため鋼は様々なところで活躍しています。

本当に鉄には頭があがらないです!

世の中にはたくさんの金属が溢れています。

液体であったり、個体であったり、金属のことも、もっと知りたいですね!

鉄のことをもっとしりたい方にお勧めの本⇩