不老不死?ベニクラゲとはどんな生き物?

生き物の科学

最近不老不死と話題の生き物をご存知でしょうか?

その生き物の名は『ベニクラゲ』。

世界中の熱帯から温帯にかけて生息しており、日本近海でも少なくとも3種が生息しています。

そして、その体長は最大でも1 cm程度の小さなクラゲであり、彼らは若返ることができるのです。

不老不死というよりは、人間でいうとおじいちゃんになっても再び赤ん坊の姿に戻れるということ。

それにしてもとても魅力的な存在であることは間違いありません。

今回はそんな『ベニクラゲ』をご紹介していこうと思います。

1.ベニクラゲ

ベニクラゲは名前の通り、中心部が紅色をしているクラゲです。

この紅色の部分の内側は食べものを消化、吸収するための口や胃腔が合わさった口柄と呼ばれる器官であり、外側は生殖巣となっています。

世界各地の海に生息しており、遺伝子解析の結果、いくつかの系統に分かれていることが明らかとされています。

しかし、これらのベニクラゲは能力に差はみられるものの、どの種も若返りが可能なのです。

我々人間と同じく多細胞生物にも関わらず、若返ることができるというのはとても驚きではないでしょうか?

そんなベニクラゲは日本近海にもたくさん存在しており、水族館でも見ることができます。

水族館のクラゲコーナーでひときわ小さなクラゲを見かけることがあれば、そいつはベニクラゲかもしれません。

なんせ体調が最大でも1 cmと小さく、見るのは大変ですよね。

調べたところ、新江ノ島水族館や市立しものせき水族館で見ることができるそうです。

ぜひ、気になる方は見に行ってみて下さい。

2.クラゲの一生

クラゲは種類によってその一生が大きく異なります。

有櫛動物門のクシクラゲ類は生まれてからすぐに親のクラゲとそっくりな幼生のクラゲとなりますが、刺胞動物門のクラゲの多くはポリプになります。

ポリプは海底などで付着生活を送るイソギンチャクのような状態。

まず、受精卵はプラヌラという幼生になり、海底に付着しポリプとなります。

この状態では、無性生殖の1つである出芽で増殖、分裂していくのです。

そして、繁殖時期に適した環境になると体の上部を伸ばし、幼体クラゲであるエフィラにその部分をつくり替えます。

しばらくするとこのエフィラはポリプから分離し、プランクトンを食べて成長していくのです。

数か月後には大人のクラゲとなり、有性生殖を行うようになります。

ベニクラゲもこのような一生を辿るクラゲであり、無性生殖、有性生殖共に行うことが可能なのです。

3.ベニクラゲの若返り

ベニクラゲはいったいどのようにして若返っているのでしょうか?

クラゲのほとんどは年老いると、泳げなくなり、海底へと沈んでいってしまいます。

そうなれば、ゼラチン質の部分は退化し、肉団子上になり、海中へと溶け去っていきます。

しかし、ベニクラゲは肉団子上になった時、エビやカニなどの甲殻類の殻などを構成するのと同じキチン質の膜を作り、身体を覆うのです。

そして、海底へとくっつき、再びポリプへと戻ることができるわけ。

ポリプに戻ることができるとはつまり、若返ることができるということであり、再び同じようにクラゲになることができます。

この若返りは老いるという要因だけではなく、若い状態でも傷ついてしまったりすると戻ることができ、不老不死と呼ばれる所以なのです。

もちろん傷つきすぎたり、弱りすぎたりすると戻ることは不可能ですが、それでも大人になってから若返ることができるのは大変魅力的な能力ですよね。

さらには、神経細胞の刺激を覚えている、つまり記憶も引き継いだ状態で若返ることができるそうです。

残念ながらこの不老不死のメカニズムはいまだはっきりとわかっていません。

4.さいごに

今回は大変不思議な『ベニクラゲ』について紹介してきました。

皆様は不老不死に憧れますか?

癌にならないハダカデバネズミや今回のようなベニクラゲの研究とあわせ、幹細胞などの研究が進めば、人間は大きく寿命を延ばす可能性があります。

はたして本当に人はそれを望み、それを手にして良いのでしょうか?

私は不老不死にはなりたいと思いません。

限られた命であるからこそ、感じることが多いと思います。

これから私たち人はどこに向かっていくのでしょうか?

前回、『死』について書いた記事があります。

その時も不老不死についてはアンケートをとったりして、私の考えを書かせていただいております。

ぜひ、今回の記事と併せて読んでみて下さい⇩。

【おすすめ科学選書】『死』とはどういうことか?を考えさせられる本をご紹介します

<参考文献>

「不老不死のクラゲの秘密」 久保田信著 2018年12月

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