氷水に塩を入れるとどうしてさらに冷たくなるの?凝固点降下とは

2018年9月7日食品の科学

自宅でシャーベットやアイスクリームを作ったりするときや、料理で冷やしたいものがある時に皆さんが使うであろう物があります。

それはきっと氷水ではないでしょうか。

しかし、この氷水でも冷やすことはできますが、もっと良い方法がありますよね。

この氷水にあるものを入れるだけでさらに冷やすことができます。

そうです!

それはもちろん『塩』です!

どのご家庭にも恐らく塩はあるので、氷水に入れれるだけで温度を下げられるのだから、皆さんが使うはずです。

では、なぜ塩を入れると氷水の温度は下がるのでしょうか?

きっと塩は魔法の粉だからにちがいない!

魔法の粉だから温度を下げてくれるんだ!

本当にそうなのでしょうか?

実はそうではありません!

塩が氷水に解けることで温度が下がり、さらに『凝固点降下』が起きているんです!

だから温度があんなに下がっているわけですね!

いやいや全然意味がわかんないよ!

今回はなぜ、氷水に塩を入れるとさらに冷たくなるのか?

詳しく解説していきたいと思います!

1.個体から液体

皆さんもご存知だと思いますが、水は液体、氷は個体ですよね。

また、氷から水になることを『融解』と言い、その温度を『融点』と呼んでいます。

では、氷の融点は何度でしょうか?

正解は0℃です。

氷は0℃で水に変わろうとします。

逆に言えば0℃を下回れば水は氷になりますよね。

水が反対に氷に変わることを『凝固』、そしてその温度を『凝固点』と呼んでいます。

では、氷水を用意してください。

室温はきっと0℃以上あるはずです。

北海道で死ぬほど寒く、室温はマイナスですよ。

なんていうボケは止めてください!

室温は0℃以上なので、当然氷は溶けていきます。

実は氷が解ける時にはエネルギーが必要なんです。

氷は水分子がお互いに手を取り合ってしっかりと繋がっているため、硬い個体になっています。

水はどうでしょう?

水は自由に動き待っていますよね。

つまり氷よりもエネルギーを持っているのです。

氷が水に変わるにはもちろんエネルギーが必要です。

つまり、氷が水になるには周りからエネルギーを奪う必要があるのです。

周りから熱を奪うことで氷は水へと姿を変えているのです。

結果的に熱いものも氷水で冷やすことができるんですね!

熱いものから熱を奪ってくれていたわけです。

また、氷は解けきるまでは一定の温度を保っています。

これもやはり氷が周りから熱を奪うことで水に変わっているので、解けるまでは温度は変わらないということです。

2.溶解熱

では、早速氷水に魔法の粉『塩』をかけてみましょう。

えーい!温度よ下がれ!

はい、氷水に塩が降りかかりました。

それと同時に水に塩が溶けていきます。

物質が解けるには『溶解熱』というものが存在します。

この溶解熱は物質によってマイナスであったり、プラスであったりします。

言い換えると、吸熱するのか、発熱するのかです。

塩の場合は吸熱なので温度が下がります。

塩がとけるには周りからエネルギーが必要なわけですね。

熱水の方が塩が溶けやすいのも納得ですよね!

つまり、まず塩が溶けることで温度が下がるというわけです。

何だ、ただ解けるだけで温度が下がってただけかよ!

いえいえ、待ってください。

確かに温度は下がりますが、溶解熱だけではそこまで温度はさがりません。

温度が下がれば0℃よりも低くなるってことですよね。

水の一部はまた氷に戻ってしまうんじゃあないでしょうか?

実はここにもポイントがあったんです。

塩はただ解けて溶解熱によって、氷水の温度を下げていたわけではなかったんですね!

3.凝固点降下

氷というのは水分子がお互いに手を取り合って、しっかり結合した状態であると先ほども言いました。

例えば、手を取り合おうとしているのに邪魔者が入って来たとします。

なかなかうまく手を取り合えないですよね。

おい!邪魔すんなよ!

そんなかんじで実は塩が入ってくることで、氷になりにくくなってしまうのです。

このように物質が溶けた状態の凝固点が低くなることを、『凝固点降下』とよんでいます。

もちろん邪魔者が増えれば手を取りにくくなりますよね?

つまり食塩の濃度によって水の凝固点は変わってきます。

25%の食塩水であれば、凝固点が約ー22℃にもなってしまうのだから驚きです。

氷水に塩をかけると、溶けて塩水になった部分はたとえ0℃より少しくらい下回っても凍ることはありません。

だから溶解熱で冷やされても凍ることはないんですね。

その結果、普通の氷になる温度よりも下がっていくわけです。

本来なら0℃を下回れば氷に変わりますよね。

水から氷になるということは氷から水になるとは逆の反応です。

つまり周りから熱を奪うのではなく、周りに熱を与えることになりますよね。

これでは全部水が凍るまで温度が下がらなくなってしまいます。

しかし、0℃を下回っても氷にならないのであれば、氷水の温度は氷から水への変化と塩が溶けることによって、温度がどんどん下がっていくということになります。

だから氷水に塩を入れるとさらに冷たくなるわけなんですね!

残念ながら塩は魔法のこなではありませんでした。

ある意味では魔法の粉なのかもしれませんが(笑)

4.凍結防止剤

冬になると地面に謎の白い粉がまかれていることがありますよね?

実はこの粉は道路の凍結を防止するためにまかれた『凍結防止剤』です。

道路が凍ってしまったら車がスリップしてしまったり、歩いているとこけてしまうので大変危険ですよね!

この凍結防止剤ですが、まさにこの凝固点降下を利用していたのです!

凍結防止剤には塩のほかには、塩化カルシウムや塩化マグネシウムが、使用されることが多いと思います。

これも同様に邪魔者を水に含ませることで水の凝固点を下げ、氷にならないようにしていたわけですね!

こんなところに共通点があったわけです!

5.さいごに

塩をかければ冷えるんだったら砂糖はどうなんだ?

氷水に塩をかけると温度が下がる原理を知っていれば、そう思われる方もいると思います。

間違いなくその通りです。

しかし、塩の分子量と砂糖の分子量を比べてください。

圧倒的に砂糖の方が大きいことが分かります。

この作用は同じモル濃度ならば同じくらいの作用を発揮します。

つまり、塩を水に溶かす方が効率が良いというわけです。

もっと詳しく⇩で説明しているので気になる方は読んでみて下さい。

ナメクジに塩!何が起きているのか?海水を飲んではいけない理由

塩はほとんどのどの家庭にも置かれているは

ずです。

そのため、氷水をさらに冷やすには一般的には塩が使われています。

塩以外にも様々なものをふりかけてみて温度を計ったり、溶かした水を凍らせてみるのも面白そうですよね。