お茶に含まれているカテキンとは?その生理活性について

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私たち日本人はお茶が大好きです。

今からさかのぼること1000年以上前、奈良時代~平安時代にかけて中国からお茶はやってきて広まったとされています。

つまり、ずっと昔から日本人はお茶と共に暮らしてきたといっても過言ではありません。

そんな日本人となじみ深いお茶の中には『カテキン』という物質が多く含まれており、特保にも指定され体にとても良いと言われています。

では、カテキンとは一体、なんなのでしょうか?

とにかく体に良いものという漠然としたイメージなのではないでしょうか。

今回はカテキンとは何か?説明していきたいと思います。

1.カテキン

カテキンとは狭い定義で言うと、化学式でC₁₅H₁₄O₆で表される物質のことを示します。

↓こんな構造。

そして、こういった化合物はポリフェノールと呼ばれています。

↑のようにベンゼン環に1つヒドロキシ基(OH)が付いているものを、フェノールと言い、ヒドロキシ基(OH)がいくつかついているものを、ポリフェノール と呼んでいるのです。

カテキンもそれを持っていますよね!だからカテキンもポリフェノールなんです。

しかし、広い定義で見ていくとカテキンは1種類ではありません。

このカテキンに色々くっついたり構造が違ったものが8種類存在しており、それらを含めてカテキンと呼んだりもしています。

2.茶カテキン

お茶に含まれているカテキンには4種類あります。

その4種類とは、以下の通りです。

・エピカテキン(EP)
・エピガロカテキン(EGC)
・エピカテキンガラート(ECG)
・エピガロカテキンガラート(EGCG)

それぞれ下のような構造をしています。

エピカテキン

エピガロカテキン

 エピカテキンガラート

 エピガロカテキンガラート

カテキンとエピカテキンって同じに見えるけど、いったい何が違うの?と思ったかたもおられる方もおられるかもしれません。

確かにカロテンと新たに出てきたエピカテキンはほとんど同じです。

でもよく見ると1か所、違いませんか?そうです!

右下のフェノール基(OH)の線が違います。

これは立体異性体と言って、平面で見た時に、黒い線だと、手前側に、点線だと奥側にあることを示しています。

この微妙な違いでも大きく性質が変わってきてしまうのが物質です。

名前の最初についているエピはエピマーと言って、立体構造だけが違う化合物の名前の最初に付けられます。

この4種類のカテキンは熱などが加えられると構造が変化し、それぞれカテキン、ガロカテキン、カテキンガラート、ガロカテキンガラートとなります。

お茶にはこのような茶カテキンが含まれていたわけですね!

3.紅茶やウーロン茶が赤い理由

緑茶は緑色なのに紅茶やウーロン茶が赤っぽい理由にも、このカテキンは大きく関わっています。

カテキンはポリフェノールオキシダーゼという酵素によって酸化し、繋がるのです。

このように繋がることを酸化重合と言い、繋がったカテキンはテアルビジンやテアフラビンと呼ばれ赤色をしています。

つまり、紅茶やウーロン茶は酵素によってカテキンが酸化重合し、赤色の物質になっているということですね。

一方、緑茶では製造工程でこの酸化酵素の働きを抑制しているため、赤くはならないということです。

4.カテキンの生理活性

カテキンを摂取することで様々な体への良い影響が言われています。

例えば、脂肪を減らしてくれたり、血圧の上昇抑制、血中コレステロールの調節、抗酸化作用、老化抑制、抗菌、抗ウィルス、抗アレルギー

これだけ見るとどんだけ体に良いんだ!と思いますよね。

ただ、カテキンがどのようにしてこの作用を生み出しているのかは、謎な部分が多く、いまだにあまり解明されていないというのが現実です。

早く解明されてほしいですよね。

これだけ良い効果が期待されるので、日本でも高濃度カテキンなどがスーパーなどでも売られています。

一方で海外はどうでしょうか?

実はヨーロッパではカテキンが一般医薬品として販売禁止になっています。

摂取しすぎて重度の肝臓障害を引き起こす患者が出てきたそうです。

体に良いからといって摂りすぎるもんではないですね。

ただ、日本ではカテキンによる肝臓障害の例は出ていないのも事実です。

ここからは私の見解なのですがヨーロッパの人は紅茶として酸化重合されたカテキンを摂ってきました。

しかし、日本人は一般的には酸化重合していないカテキンを緑茶で摂取してきたので、そこにカテキンに対する能力の差が生まれているのではないのでしょうか?

ヨーロッパの人ではカテキンの分解が肝臓にとってかなり負担になる可能性がありますが日本人はその分解が肝臓の負担になっていない可能性があります。

本当にあくまで私の見解なのですが、日本人は緑茶のおかげでカテキンに強い可能性があるかもしれません。

お酒は外国の人の方が強いですが、カテキンは日本人の方が強い可能性だってあってもおかしくないですよね。

これはあくまで私の予想ですが、皆さんはどう思いますか???

でも一つ言えることは、体に良いからと言って、あまりにも摂りすぎるのは止めた方がよさそうです。

5.さいごに

なんでもサプリや医療品に頼ってばかりだと、摂りすぎになってしまう可能性が出てきますよね。

確かに健康的な体を維持するために不足した栄養をサプリで補うことは良いことですが、きちんと容量を守らなければ逆に体を傷つけてしまいます。

また、本当に健康でありたいなら食品だけでなく運動や睡眠など、他にも気を付けるところは沢山あります。

やはり、健康的な食生活を心がけるのが、一番であることは間違いありません。

お茶が嫌いな人も、ジュースばっかり飲むのではなく、日本人らしくお茶でも飲んでいきましょう!

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