なぜヤモリは壁にくっついていられるのか?ファンデルワールス力とは

2018年11月2日生き物の科学

ヤモリをご存知でしょうか?

よく壁にくっ付いているトカゲの仲間です。

とっても可愛いですよね?

たまに扉を開けたと同時に頭の上に落ちてきてびっくりさせられますけど(笑)

そんなキュートなヤモリは害虫を捕食するため、「守宮」や「家守」と漢字で書きます。

家を守ってくれているわけですね!

日本で見られるヤモリはニホンヤモリであり、一番初めの記事⇩で紹介したイラガように、人の多い都市部や住宅街の方が多く見られるのです。

~自己紹介記事~

そんなヤモリですが、タコみたいな吸盤を持っていないし、カタツムリみたいにねばねばしていませんよね?

では、どうして壁にくっつけるのだろう?

似たようなトカゲは壁にはくっつけないのに!

と思ったことはありませんか?

思ったことが無ければ、今から思いましょう!

実はこの疑問の答えは、ヤモリの足にあるんです。

ヤモリの足にはもの凄く小さな毛が生えており、その毛が壁とファンデルワールス力というとても弱い力でくっつくことで、壁に引っ付けているのです!

いやいや、ファンデルワールス力ってなんだよとなると思います。

なので、今回の鍵である『ファンデルワールス力』について、簡単に説明していきたいと思います。

1.ファンデルワールス力

『ファンデルワールス力』とは、簡単に言えば分子同士に働く弱い力です。

分子は原子の集まりということはご存知ですよね?

下図のように原子の中心には原子核があり、その周りには電子(-)が周っています。

一方向から見た場合、周っているということは、裏側に周っていってしまったりして、時に電子は見え隠れしますよね。

図で言えば右側から見れば、電子は原子核に隠れていると言えます。

地球の周りに月が周っているところを想像してください。

月は常に見えていませんよね。

同じように原子の周りの電子は周っているので、原子核内の陽子(+)が見え隠れしています。

分子同士が近づき、分子の持つ原子同士が近づくと、この+と-が引かれ合うのです。

この引かれ合うことで生じる分子間の力、それこそがファンデルワールス力なのです!!

磁石も+と-でひかれるのと同じように、近ければ近いほどこの力は強くなります。

もちろん、この引き合う力は1つ1つはとてつもなく弱い力ですが、沢山あればあるほど強い結合となるのです。

例えば2冊のノートのページを1枚ずつ重ねて見て下さい。

小学生の時にやった方も多いかもしれません。

始めはすぐに抜けるくらい弱い力ですが、ページが多く重なれば重なるほど力は強くなり、引っ張っても抜けなくなりますよね。

まさに感覚としてはそれと同じで、このような弱い力『ファンデルワールス力』を利用し、ヤモリは壁にくっ付くことができているのです。

では、どのようにしてヤモリはファンデルワールス力を使っているのでしょうか?

2.ヤモリのファンデルワールス力

最初に言いましたが、ヤモリの足にはもの凄く小さな毛が沢山生えており、4本の足の毛の数を合わせると、約650万本もの毛がはえているそうです。

そして、ヤモリはこの沢山の毛を上手く利用し、壁に対してこのファンデルワールス力を使って、くっ付いて落ちないようにしているのです。

つまり、細かくて細い650万本の毛の一本一本が壁の原子と引き合っているのです!

先ほども説明したように弱い力でもたくさん集まれば強い力になりますよね。

また、一度くっ付いてしまって離れなくなったら外敵に襲われてしまうので大変です。

そこで、ヤモリは外側に曲がる手を使い器用にこの毛を動かすことで、ファンデルワールス力を順番に無くしていき、離れすぐにまたくっ付けるそうです。

見かけによらず、器用なやつらですよね!

実はこのファンデルワールス力を利用したテープや医療品などの商品も開発されているのです。

しかし、ヤモリの手を完全に真似できているわけではありません。

真似しようともここまで細くて大量の毛は未だに作ることができていないのが事実であり、これから技術が発達し、いずれあのくも男みたいに壁を自由に登ったりできるスーツができると楽しそうですね。

3.さいごに

進化論を提唱したダーウィンによれば、生物は予期しない突然変異により、自然淘汰されていき、今の姿になったとされています。

簡単に言うと、突然変異によって体の形や色などが変わり、それがたまたま生き残ることに他の個体よりも有利だった場合、その個体が生き残って今の姿になっていった。

ということです。

ヤモリたちもファンデルワールス力を使い他のトカゲたちよりも高い所の餌を確保したり、逃げたりすることができる個体が多く残っていった結果、今の形になっているわけですね。

まぁ、ヤモリは誕生してから現代までに、何度かこの力を得たり、無くしたりしているそうですけど、、、、

とにかく人の科学の歴史よりも遥か昔から、生物たちは生き残る技を受け継いできたわけです。

これを参考にしない手などありません!

現在では沢山の生物からヒントを得た技術が開発されています。

今後、そんな技術も調べて紹介していければと思います。

【4コマ劇場】ヤモリ先輩の師匠!

まだ読んでいない方はぜひ読んでみて下さい。