エビやカニを茹でたり、焼いたり、熱を加えると赤くなるのはなぜ?隠された色素アスタキサンチン!

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皆様こんにちは!

今日はエビやカニのお話です。

冬になるとカニ食べ放題!とかよくありますよね。

欲張りな鍋には欠かせない存在であると言えます。

まぁエビの方はというと、一年中な気もしますが。。。

それはおいといて、皆様がそんなカニやエビを食べる時にきっと一度は疑問に思うであろうことを今回は解説していきましょう!

まず、いきなりですが質問です。

テ、デェン!

皆様の食卓の前に置かれたエビやカニは何色をしているでしょうか?

よく思い出してみてください。

。。。。

。。

チーン!

「鮮やかな赤色」

と答える方が大半であると思います。

カニやエビのイメージとは、かなり鮮明な赤色なのではないでしょうか。

では、今度は水族館に移動しましょう。

カニやエビは何色をしているでしょう?

思い出してみてください。

もしくは今から水族館に行って確かめてきましょう。

するとですね、赤色のやつもいるにはいるが、食べる時みたいに鮮やかな赤色ではない!

食卓に並ぶカニやエビの色とは水族館でみる色は違う!

ということに気づくはずです。

また、スーパーに売っているエビなんかも全く赤くないんじゃないでしょうか?

そう、灰色っぽい色をしていますよね。

ですが、食べる時にはエビフライの尻尾も赤くなります。

カニやエビに一体何が起こってしまったのか?

ここで先に答えを言ってしまうと、エビやカニは熱が加えられると隠れていた色素が遊離し赤くなる!ということなんですね。

食事中、人に話すくらいならこの答えで十分かもしれませんが、せっかくなので、もう少し詳しく解説していきましょう。

1.アスタキサンチン

エビやカニの赤色はアスタキサンチンというカロテノイドによるものです。⇩

アスタキサンチンとかカロテノイドとか難しい言葉を並べられてもって感じかもしれないので、身近なカロテノイドと言えば、ニンジンやトマトの赤色の元です。

ニンジンのカロテノイドはβカロテン、トマトはリコペン(リコピン)であり、これがあるから赤く見えます。

βカロテンやリコペンなら皆様も一度は聞いたことあるんじゃないでしょうか。

つまり、カロテノイドとはこれら色素の総称であり、エビやカニの赤色もその仲間であるというわけですね。

では、次にこのアスタキサンチンの構造をよく見て下さい。

βカロテンやリコペンもそうなのですが、アスタキサンチンはたくさん二重結合を持っています。

このようにカロテノイドは分子内にたくさんの二重結合を持つため、とても酸化を受けやすいのです。

そのため、生体が受ける活性酸素などの攻撃からカロテノイド自身が酸化されることで守ってくれることになります。

そして、これが大々的に宣伝されトマトやニンジンなどでは老化を防ぐなどと言われていますが、全くの間違いではないと言うことです。

ただ、誇張しすぎる表現も時々見られますので、十分注意が必要です。

最近は多いですよね。

とにかく!エビやカニ、トマトやニンジンはカロテノイドという色素を持つから赤いというわけです。

2.フラミンゴの色

ちなみにフラミンゴの赤や、サケの身が赤いのもカロテノイドによるものなんですが、フラミンゴやサケは体内でカロテノイドを生成するわけではなく、餌によってカロテノイドを摂取し、身体に蓄積されることであんなに鮮やかな色になるのです。

つまり動物園のフラミンゴはピンクになるように育てられているというわけですね。

また、サケの身もアスタキサンチンを餌から摂取するためであり、卵を産むとその色素が卵に移るのでイクラは赤色なんです。

ぜひ、お寿司のイクラを食べてるときに語ってみてください。

これでカニやエビが赤い理由やフラミンゴが赤い理由がわかっていただけたかと思いますが、なぜ、熱を加えなければカニやエビは鮮やかな赤、つまりアスタキサンチンの色は見えないのでしょうか。

3.カニやエビが熱で赤くなるのはなぜ?

ここから今回の本題です!

確かにエビやカニの表面にはアスタキサンチンがあります。

しかし、スーパーのエビや水族館に行くと灰色に見えることが多いですよね。

それはなぜか。

実は生きている間、アスタキサンチンはクラスタシアニンというタンパク質と結合し、カロテノプロテインとなっているのです。

このタンパク質と結合しているカロテノプロテインの状態では、赤く見えず、青みがかった灰色に見えます。

だからエビやカニは水族館やスーパーでは灰色っぽく見えたわけですね。

そこにですね、茹でたり焼いたりなど熱を加えましょう。

すると、タンパク質は熱によって変性しますから、アスタキサンチンが遊離するのです。

アスタキサンチンが遊離するということはつまり、赤くみえるわけですね。

ちなみに死んだりしてもどんどんアスタキサンチンは遊離していきます。

ぜひ、カニやエビを食べる時、または水族館に行った時には思い出してみて下さい。

4.さいごに

なぜ、カニやエビは赤色の色素を隠し持っているのか?

どうしてイクラに色素が移るのか?

まだまだたくさん謎があります。

もう神秘ですよね。

冬は鍋の季節、鍋といえばカニ!

ぜひ皆様もカニ鍋をしながらそのことについて考えてみましょう!

ちなみに鯛のあの赤いいろもアスタキサンチンの色であり、餌から摂取したものなんですよ。

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