オゾン層とはなにか?私たちを紫外線から救ってくれている!?

2018年9月8日身の回りの科学

私たちが地上で安全に生活できるのは、『オゾン層』があるからといっても過言ではありません。

なぜならば、オゾン層は太陽からの紫外線を吸収してくれているからです。

もし、オゾン層が無く、太陽からの紫外線が直接、生物たちに降り注げば大変なことになってしまいます。

紫外線はエネルギーが強く、生物のDNAを傷つけてしまうのです。

DNAがたくさん傷ついてしまうと、修復が間に合わなかったり、修復ミスのせいで皮膚ガンになってしまいます。

そうなってしまうと太陽の下にはいられませんよね。

遥か昔、海の中で行われた生物たちの光合成により、大気の酸素濃度は上昇しました。

昔の大気には酸素は少なく、二酸化炭素が多かったのです。

そして、生物たちの光合成によってできた酸素は、太陽から降り注ぐ紫外線を受け、オゾンへと姿を変えます。

その積み重ねの結果、オゾン層は形成していったのです。

オゾン層ができたおかげで、生物たちはどんどん陸上へと進出し、現在に至るまでにその種を増やしてきました。

このようにオゾン層と生物の関わりは深く、重要であることがわかります。

では、今回はそんなオゾン層についてお話ししていきたいと思います。

1.オゾン

そもそもオゾンとはなんなのか?

遥か昔、大気中の酸素濃度が上昇したことで、オゾン層はできました。

つまり、オゾンは酸素からできるんじゃないかという推測が立てれますよね。

酸素はO₂、つまり、酸素原子が2つです。

一方、オゾンはO₃で酸素原子が3つからなる酸素の同素体なのです。

同素体とは、同じ元素なのに結晶構造や結合様式から異なる物性を持つ物のことを言います。

例えば、炭素Cの同素体は、ダイヤモンドと鉛筆の芯ですよね。

このように同素体とは同じ元素なのに、硬くて綺麗なダイヤモンドと、もろくて黒い鉛筆の芯のように物性が全く異なるのです。

炭素とダイヤモンドについては⇩

鉛筆の芯とダイヤモンドはどちらも炭素からできてるってホント?同素体とは?

酸素は無色透明、無臭、酸素が無ければ私たちは生きていくことができません。

しかし、オゾンには毒性があり、薄い青色の生臭い匂いの気体なのです。

また、高濃度では呼吸困難や麻痺を引き起こし、最悪死にも至る恐ろしい気体。

酸素原子が1つ多いだけなのに、本当に不思議ですよね。

そのため、高濃度のオゾンの取り扱い時には、全面マスクは必須です。

しかし、そんな恐ろしい気体ですが、紫外線から私たちを守ってくれているというわけです。

また、それだけでなく身近なところでも役立っており、水道水の殺菌や食品添加物にも使用されているのです。

このように量が多いとなんでも毒ですが、きちんと扱えば有益になりますね。

それは、薬もそうですが、なんでも同じなのかもしれません。

では、このオゾンからできているオゾン層とはどんなものなのでしょうか?

2.オゾン層

オゾン層とは、イメージではオゾンが集まってバリアのようなものを作っていると思うかもしれませんが、そうではありません。

私たちの生活する地上から遥か上空、10キロ~50キロにある成層圏のオゾン濃度が高い部分をオゾン層と呼んでいます。

この中でも20~25キロの部分は特にオゾンの濃度が高いと言われているのです。

このオゾン層が太陽から降り注ぐ320 nm以下の紫外線を吸収し、私たちを守ってくれています。

では、このオゾン層はどのように紫外線を吸収しているのでしょうか?

まず、酸素分子が242 nm以下の紫外線を吸収します。

紫外線を吸収するということはエネルギーを吸収するのと同じですよね。

酸素分子はそのせいで、光解離し、2つの酸素原子に分かれます。

分かれた酸素原子は酸素分子と結びつき、酸素原子3つのオゾンとなるわけです。

次にオゾンは320 nm以下の紫外線を吸収、再び酸素原子と、酸素分子に分かれるのです。

このようにオゾン層では、紫外線を吸収することでオゾンができたり、酸素に戻ったりの繰り返しが起こっているのです。

ずっとオゾンのままではないわけですね。

3.オゾン層の破壊

私たちを守ってくれている大切なオゾン層ですが、様々な要因で破壊されてはまた作られるを繰り返しています。

人工的な要因の代表例としては、皆さんもご存知な塩素を含むフロンガスや、亜酸化窒素などがあげられます。

フロンガスは安定しているため、オゾン層がある上空まで行くことができます。

そして、紫外線を吸収し分解、塩素を放出し、オゾン層を破壊するのです。

また、オゾン層の破壊は人間によるものだけではなく、自然から発生するヒドロキシラジカルや一酸化窒素、塩素原子に火山ガスなど、様々な要因でも破壊されます。

人工的な要因だけではないんですね!

これらの物質はオゾン層のオゾンを分解し、破壊しています。

本来、自然にも破壊されるオゾン層ですが、分解されてもまた作られるというバランスが保たれていました。

しかし、人間の出した化学物質によって、オゾン層の分解の方が、加速することになってしまったというわけです。

そして、オゾン層のオゾン濃度が極端に薄くなったところをオゾンホールと呼んでいるのです。

現在、このオゾンホールは、春季の南極や北極で確認されています。

なぜ、私たちが住んでいる上空ではなく、北極や南極で発生するのか?

それは、北極や南極で発生しやすい特殊な雲、極成層圏雲がオゾン層の破壊を速めるからのです。

この雲は、普通の雲のように水でできるわけでなく、オゾン層を破壊すると言われている塩素原子や硫酸エアロゾルによってできるのです。

この雲がはるか上空で形成されるため、オゾン層を破壊するということですね。

1987年にモントリオール議定書でフロンガスの使用が制限されて以来、私たち人類は様々な対応をしてきました。

そのおかげで2050年にはオゾンホールは縮小すると言われています。

しかし、最近の研究では、オゾンホールの原因は禁止されたフロンなどだけではなく、様々な要因の可能性があると示唆されました。

南極や北極では特殊な雲のせいでオゾン層が余計に破壊されていますが、私たちが住んでいる人口が多い場所では臭素系の溶剤や脱脂剤などにつかわれる物質が、下部のオゾン層を破壊しているとされています。

オゾン層は10~50キロありますが、下部のオゾン層が破壊されれば、もちろんそれだけ紫外線の吸収は落ち、私たちに多くの紫外線が降り注ぐことになります。

また、温暖化などが原因で気象が変わり、オゾン層を破壊する物質の流れが変わることにも、大きな影響が出ると考えられています。

これからオゾン層はどうなってしまうのでしょうか?

4.さいごに

私たちは便利な生活と引き換えに自然を破壊してきました。

その結果、便利とはかけ離れた状況を作り出してしまうのかもしれません。

それはまさに原発も同じです。

原発を否定する気はありませんが、やはりもっと私たちは自然と向き合わなければいけないのかもしれません。

また、原因を1つに決めつけてしまうのではなく、もっとたくさんの視点から物事を見ないといけないですね。