犬の嗅覚がすぐれているのはなぜ?においを判別する仕組みを解説!

2018年9月10日生き物の科学

このかわいいワンちゃんは、我が家の家族の『リラちゃん』です。

家族全員がリラックスできるような存在でいてほしい、という思いからリラちゃんと名付けました。

とても美人なビーグルです(笑)

ただ、私の言うことはほとんど聞いてくれません。

機嫌の良い時には、自分から私の膝に乗ってくるときもあるんですけどね。

また、庭の落ち葉を掃くときに庭を走り回らせてあげるのですが、小屋に戻すときは格闘です。

しかし、これも最近はましになりましたかね。

でもまぁ、どんなにお茶目でわがままっこでも、かわいいからすべてを許してしまいます。

夜はリビングに連れて上がるのですが、その時はすんなり上がってくれます。

どうやらリラちゃんは、リビングは好きだけど小屋は好きじゃないみたいです。

そんなわんぱくなリラちゃん、実は警察犬の受ける訓練も受けていたことがあるんです。

そしてなんと、大会にも実際に出場した経験があります。

こんなに小さいのにすごいんです。

みなさんもよく知る警察犬は犯人のにおいをたどり、事件の解決をしてくれますよね。

一般的に犬は人間よりもはるかに嗅覚が優れていると言われています。

なので、そんな犬たちは警察犬として事件解決に協力してくれているということです。

では、なぜ犬の嗅覚は人間よりも優れているのでしょうか?

また、私たち人間も臭いを感じることができますよね。

そもそも人間や犬はどうやって臭いを感じ取ることができるのでしょうか?

実は犬も人間も基本的には同じ方法でにおいを判別しています。

鼻にある『嗅細胞』によって感知しているのです。

匂いを感じる仕組みは同じなのに、なぜ差はうまれるのでしょう!

今回はにおいとはなにか?から、嗅覚について説明していきたいと思います。

1.におい

私たち人間や犬は嗅覚といって、臭いを感じ取ることのできる感覚を持っています。

そもそも『におい』とはなんなのか?

それは気体になった化学物質です。

化学物質は気体の状態で、鼻に入ってきます。

すると、この化学物質は、鼻の粘液に溶けるのです。

実は、このように粘液に溶けなければ、匂いを感じることはできません。

つまり、気体ではない物、粘液に溶けない物の匂いは、感じることができないということなのです。

例えばプラスチックなど、無臭のものがあると思います。

このような無臭の物体には、揮発性がありません。

要するに、気体になることができないということです。

気体でない物のにおいを私たちは、感じることができないので無臭となるのです。

また、嫌なにおいってありますよね?

嫌な臭いはだいたい体に良くなかったりします。

例えば、アンモニアも体にはよくないので悪臭と感じます。

鼻にツーンとつくような刺激臭ですよね。

食べ物を食べる時、私たちは無意識のうちに匂ったりしますよね?

本能的に匂うことで、その食べ物が安全か?

ということを見極めているのです。

では、私たち人間や犬はどのようにしてにおいを判断しているのでしょうか?

2.においを判別できるしくみ

空気中に漂うにおい物質が、鼻の中へやってきます。

すると、粘液にその物質が溶け、鼻の中にある鼻嗅細胞によって感知されます。

では、どのように感知されるのでしょう?

この嗅細胞は、におい物質と結合することができる『嗅覚受容体』を持っています。

この受容体は、1つの嗅細胞に1種類ずつ存在していて、人間の受容体の種類は347種類あると言われています。

細胞の数が、347個しかないわけではないですよ!

もっと多くああります。

おおよそ10cm²の範囲に数千個、嗅細胞が存在しているのです。

また、この受容体は決まったにおい物質と結合するのではなく、何種類かのにおい物質と結合することができるのです。

特異的ではない、つまり、特定のものとだけくっ付くわけではない受容体なのです。

鍵(匂い物質)があったとします。

え?この鍵穴(嗅細胞の受容体)も、この鍵穴にもささるのかよ。

というようなイメージですね。

つまり、ひとつのにおい物質は、何種類かの嗅覚受容体と結合することができるということですね。

また、におい物質が嗅覚細胞の受容体と結合すると、電気信号が発生し、嗅神経を伝わって脳にある嗅球という場所で情報が処理されます。

最終的には、嗅球で処理された情報は脳のいろいろな部分に伝わっていき、記憶であったりさまざまな情報へと変換されていくのです。

においの判別は、この受容体がどのようなパターンでくっつくかで、判別されていると言われ、そのパターンは数千から数万とも考えられます。

ここまでをまとめると、においは化学物質であり気体となって鼻にやってきます。

やってきた気体の化学物質は、粘液に溶け、嗅細胞の持つ受容体に結合します。

脳に送られた結合パターンの情報によって、においを判別している。

ということになります。

では、人間と胃驚異的な嗅覚を持つ犬は、なにが違うのでしょうか?

3.人間と犬の嗅覚の違い

犬は人間の嗅覚の100万倍~1億倍もの能力をもつと言われています。

どうりで簡単に犯人を見つけられるわけです!

では、なぜそんなにも優秀な能力を持っていると言われるのでしょうか?

実は、冒頭でもお話した通り、基本的ににおいを判別する方法は人間も犬も同じです。

じゃあ何で犬の方が優れているんだよ!

一体どこが違うのでしょうか?

先ほど、臭いは嗅細胞の受容体に結合するパターンによって判別できるといいました。

つまり、嗅細胞の数が多ければ多いほどにおいを判別することができると言えるのです。

種類によって異なりますが、犬はなんと人の4倍の約2億個もの嗅細胞を持っています。

それなら確かに嗅覚が良いと言われるのも納得ですよね。

たくさんの細胞から生まれるたくさんのパターンがあるので、においをかぎ分ける力が抜群に強いというわけですね!

でも待って!

犬と人間ってそんなに鼻の大きさに差はあるかな?

4倍も細胞が多いなんて考えられない!

細胞が多いってことは鼻も大きくなるんじゃないの?

実はこんなに多くの嗅細胞を持つことができるのには、犬の鼻の構造に秘密があります。

犬の臭粘膜はひだひだが多く、そのひだひだが表面積を稼いでいるのです。

つまり、犬は鼻の表面積を稼ぐことで、
嗅細胞を多く持つことができるってわけですね。

犬がにおいを判別する能力にたけていることも納得ですね!

4.実は人間の嗅覚もすごい

人間は他の哺乳類に比べて嗅覚が劣っていると言われてきました。

これは、人間が嗅覚に依存していないため、こうなってしまったと考えられています。

人間は犬や他の動物ほどは、食べ物をかぎ分けませんよね。

なんとなくかいで確かめるぐらいで、ほとんどは視覚の情報に頼っています。

また、におい物質が受容体に結合した後、情報を整理する嗅球が、脳の割合でみれば他の哺乳類よりもはるかに小さいのです。

情報を処理するところが小さいとやはり重要ではないと思いますよね。

しかし、最近の研究では!

人間の嗅覚は優れている!ということが言われてきています。

なぜなら、確かに脳の大きさ的に嗅球のしめる割合が小さいです。

しかし、大きさでみるならば、他の哺乳類と同じくらいの大きさではないですか!

また、嗅球を構成している神経細胞の数も同じくらいではないですか!

まぁ体が大きいんだから、当然なのですが。

さらに、人間はにおいから記憶をたどる能力が強く、犬よりも感情や行動がにおいに影響されるとされています。

いろんなものをかぎ分ける力は弱くても、臭いに対する感覚は人間も凄いものがあるのです。

ワインをにおいで判別したり、においでその人の状態を状態を判断できる人もまれにいますし、人間の嗅覚も劣っていないということですね!

恐るべし人間!

5.さいごに

においは物質の濃度によっても違ってきます。

香水に含まれているインドールは濃度によってにおいの感じ方が変わる代表です。

実はおならにも含まれているインドールは濃度が濃いとくさく感じるのに、少量であればジャスミンの香りに感じるのです。

本当に不思議ですよね。

これはおそらく嗅細胞の受容体に結合するパターンが違ってくるんだろうと思います。

このようににおいをどう感じるかを知っていれば、見えてくることも増えてきますよね。

私たちも犬に負けないようにどんどん嗅覚を使っていきましょう!