圧力鍋の仕組みとは?徹底解説!

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前回、電子レンジで卵を温めるとどうなるか?という記事を書きました。

まだ読んでない方は⇩

レンジでたまごを温めると爆発するのはなぜ!?電子レンジの仕組みを簡単に解説

是非、読んでみてください。

そしてなんですが、私はその中で「圧力がかかると水の沸点が高くなり、100℃でも水が沸騰しない」と言いました。

まさにこれを利用し、100℃よりも高い温度で、調理することができるのが圧力鍋なのです。

いきなり答えを言ってしまったわけですが、ではなぜ圧力がかかると水の沸点が高くなるのかご存知でしょうか?

今回はそもそも気体とはどういう状態なのか?というところから説明していきましょう。

1.物質の三態

物質には、『気体』『液体』『個体』の物質の三態と呼ばれる状態があります。

それぞれを分子同士で状態を見比べた時、以下の様になります。

個体:分子同士の結びつきが強い状態

液体:分子同士に力は働いているが、移動できる状態

気体:ほとんど分子同士に力は働いておらす、自由に動き回れる状態

では、一番イメージがわきやすい水分子でそれぞれを考えてみましょう。

水分子の気体の状態は水蒸気ですよね。水蒸気では、水分子が空気中を自由に動き回っている状態になります。

次に液体はどうでしょうか?

水分子の液体の状態とは、もちろん私たちが生きるためには欠かせない水の状態ですよね。

水分子はお互いにくっ付いていますが、ある程度自由な状態にあります。

お風呂に入る時も、水道から出てくる水も流体でさらさらしており、氷の様にカチカチではありません。

最後に水分子の個体の状態、つまり氷はどうでしょうか?

氷では水分子がしっかりと結びついているので、かちかちです。

このように物体は分子の結びつきによって個体、液体、気体のような3つの状態を生み出しているのです。

また、これらは良くバットに入れたビー玉にも例えられ、激しく動かしている状態が気体、ゆっくり動かしている状態が液体、動きを止めた状態が個体であると例えられたりもします。

イメージできましたか?

2.圧力と状態の関係

では、次は圧力との関係について考えてみます。

地球には大気がありますよね。私たちが生きることができるのも窒素や酸素などを含む大気があるからです。

つまり、地面の上に沢山の空気があるのでその分重さがのしかかってくることになります。

空気にはほとんど質量がありませんが、とても多いのでかなりの重さになります。

どんなに軽い人でもたくさん乗ってこられたら、めちゃくちゃおもいですよね?

なんと、頭の上には100 kgもの空気が常に私たちにのしかかっているのです。

そして、海面での大気による圧力、つまり重さを1気圧と定められており、1気圧の時、水が水蒸気に変わる温度は100℃ですので、水の沸点は100℃となります。

また、1気圧の時、水が氷に変わるのは0℃であり、水の凝固点は0℃ということになりますね。

では、気圧ではなく圧力が変化するとどうなるでしょうか?

考え方は同じです。

実は気圧の大きさによって、この沸点や凝固点は変化してしまうのです。

なぜなら、圧力がかかるということは、空気に上から抑えつけられるということです。

つまり、私たちの上だけではなく、私たちの持っているコップに入っている水にも空気の重さはかかっています。

もし、空気による圧力の力が強くなれば、より大きいエネルギーをもつ気体にはなりにくくなりますし、エネルギーが小さい個体にはなり易くなるのです。

抑えつけられたら飛んでいきにくいですよね。

また、逆に空気による圧力が弱ければ、気体になり易いと言うこともできます。

このように1気圧での水の沸点は100度ですが、空気による圧力の変化で温度は変わるということを頭に入れて、圧力鍋に戻りましょう。

圧力鍋の仕組みが、もうなんとなくわかったのではないでしょうか?

3.圧力鍋のしくみ

普通の鍋に水を入れて熱すると100℃で水は沸騰し、水蒸気へと変わることでどんどん空気中へと水分子が出ていきますよね。

一方で、圧力鍋ではどうでしょう?

きっちりと蓋で密閉されているので、水分子が空気中に出たくても出られない。

抑えつけられているので、自由に動き回れない状態という状況になります。

水は水蒸気になると体積が1700倍にもなるので、圧力がいかにかかってくるのかが想像できると思います。

温度が上がるにつれて鍋の中の気圧がどんどん上昇していき、水の沸点も上昇し沸騰しにくくなります。

抑えつけられてるので、液体の状態から気体になりたくても気体になれないということです。

このように大気圧よりもさらに抑えつけられることで、沸点を高くすることができるんですね!

しかし、あまりにも気圧が高くなりすぎても鍋が耐えきれなくなり爆発する危険があるので、ある程度の力がかかれば持ち上がって水蒸気を逃がし、圧力を調節する重りもついています。

ゆでたまごみたいに爆発しちゃうと大変なことになりますよね。

抑えつけられた水分子たちが、重りを持ち上げて外に逃げることで、ある程度圧力を調節しているというわけです。

つまり、これらをまとめると圧力鍋は鍋の中の圧力を上げ、水を沸騰しにくくすることで普通の鍋よりも高温で調理することが可能にしているのです。

高温で煮込むことができるので、長時間かかる料理もパッとできてしまうのも圧力鍋の大きなメリットですよね!

4.山のうえで圧力鍋

先ほど1気圧は、海面での大気の重さといいました。

つまり、海面より高いとこへ行けば行くほど気圧はどうなるでしょう。

そうです!気圧は低くなります。

何故なら上にのっている空気が少なくなるからです。

つまり、高い山で水を沸騰させると、100℃に到達する前に気体へと変わってしまいます。

それは、もうお分かりのように地表よりも空気からの抑えつけ、つまり気圧が弱いからです。

温度が100℃に満たないため、食料を十分に温めることができないといえます。

きちんと温めれていなければ、菌が死んでなかったりする可能性があるので危険ですよね。

なので、登山者は圧力鍋を持っていき、調理したりするのです。

4.さいごに

他にも気圧を確かめる実験では、山の上や飛行機へお菓子の袋をもっていく実験がよくされていますよね。

ぱんぱんに膨らんだお菓子の袋をみたことがあると思います。

これも今回のお話と同じで、高い山や飛行機では、当然高度が上がるため大気圧が弱くなるからです。

地表にいた時よりも袋を抑える力が弱くなり、お菓子の袋は内側から押されぱんぱんに膨らむというわけなんですね。

普段はあまり感じていませんは、空気の力って意外とすごいんですよ。

ぜひ、山に登るときや飛行機に乗るときには、お菓子の袋を持っていってみましょう。

また、山では圧力鍋が役に立つので、登山には必ず圧力鍋を携帯すべきですね!!

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