インフルエンザワクチンの仕組みとは?身体の免疫機構について

2019年11月4日身体の科学

秋になると健康診断で多くの方がインフルエンザの予防接種を受けるのではないでしょうか。職場で必須のところも多くあるはずです。

では、このインフルエンザの予防接種を皆様はどういったものかご存知でしょうか?

本日はインフルエンザの予防接種のお話をしていこうと思います。

まず、簡単に説明してしまうとインフルエンの予防接種とは、インフルエンザの無毒化したものを体に打ち込み、体の免疫力を高めるということです。

この一言では何を言っているのかわからないとなっている方も多いと思いますので、順番に説明していこうと思います。

まずは体の免疫機構について説明していくことにします。

いきなり少し難しい言い方かもしれませんが、免疫機構とは簡単にいうと「ウィルスなどの外敵から体を守ってくれる働き」です。

1.体の免疫機構

空気中や身の回りの物やあなたの手には、目に見えない沢山のウィルスや細菌が存在しています。

そんな中、体をまず守ってくれているのは1番外側にある皮膚です。

当然のように思うかもしれませんが、皮膚は私たちを外敵から守ってくれている大事な存在なのです。

しかし、皮膚だけではこれらすべての外敵を防ぐことはもちろんできません。外敵は皮膚で守られている以外の所からも侵入していきます。

どこかと言いますと、吸い込んだり飲み込んだりする鼻や口などです。いかにも入ってきやすそうですよね。

息をするとき、または食事をするとき、外敵が体に入ってきてしまいます。

なんとかしないと!でも、大丈夫です!

体の中には、外敵をやっつけようとする機能『免疫』が働いています。つまり、体に入ってきた外敵を排除してくれるのが免疫というわけです。

そして、この免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」があります。

「自然免疫」は侵入してきた外敵をマクロファージや樹状細胞などの食細胞が直接やっつけてくれます。

また、ワクチンでも重要となってくるのがもう1つの「獲得免疫」です。「獲得免疫」とは、名前の通り獲得できる免疫のことです!

簡単に言えば、体に侵入してきた外敵にくっついて、それを記憶し次にまた同じものが来たら前よりもすぐに対応してくれる働きが「獲得免疫」となります。

そして、この獲得免疫には外敵とくっ付いて知らせてくれる『抗体』が使われるのです。

もともと体内には数百万~数億種類もの抗体が存在しています。そして、この無数に存在する抗体が外部からやってきた敵にくっ付いてくれるのです。

しかし、いくらたくさんある抗体といえど、いきなり完全のパズルのピースや鍵と鍵穴のようにぴったり完璧に外敵とくっつけるとは限りません。

ここで、免疫記憶細胞という細胞が一度入ってきた外敵の特徴を覚えておいてくれます。その後、外敵に合わせ結合する部分を組み替えることで(変異)、ぴったりと外敵にくっ付くことができる抗体を作ってくれるのです。

覚えていて、もう一度外敵がやってきたときにすぐにくっつければ即座に対処できるというわけですね!

また、自然免疫と獲得免疫は相互作用もしており、食細胞がやっつけた外敵の情報を抗体を作る細胞に知らせることで抗体をつくらせることができます。

このような免疫記憶をうまく利用しているのが、インフルエンザワクチンということです。

では、具体的にどのように利用しているのでしょうか?

だいたいもうお分かりですよね。

2.インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンは、免疫記憶を利用すると言いました。

つまり、簡単に言えばインフルエンザワクチンはインフルエンザウィルス自体を体へと打ち込んでいるということになります。

え?それって大丈夫なの??本当にそんな恐ろしいことをしているのでしょうか?

その答えは半分正解であり、半分間違いです。

そのままのインフルエンザウィルスを体に入れてしまったら、感染してしまうので大変なことになってしまいますよね?

インフルエンザを抑えるために打つものなので、感染してしまっては元も子もありません。

そこで、ウィルスといっても弱毒化もしくは、無毒化されたものを打ち込んでいるのです。

一般的には、抗体がウィルスに対してくっつく表面の部分だけを体に打ち込むことで、身体にそのウィルスの情報を覚えさせています。

このようなワクチンを「不活性化ワクチン」と言います。

インフルエンザウィルスについては⇩

インフルエンザはなぜ冬になると流行するのか?ウィルスとは?

そのため、体が弱っていたりしない限りは安全だと言えます。

インフルエンザワクチンを打つときは必ず体温を測ると思いますが、まさにそれはこれが理由です。

1度体内にインフルエンザウィルスを打ち込むことで、体が覚えておいてくれるため、例えインフルエンザウィルスがやってきても抗体がくっついてすぐに対処できるようになるというわけですね!

はしかや風疹など、中には病気によって弱体化させたウイルスである「生ワクチン」を使用することもあります。

3.さいごに

インフルエンザワクチンを打つということは、弱毒化したウィルスを体に打ち込み、体に覚えさせ、次来た時にすぐにやっつけてくれるので症状がでにくいということです。

もし次に体内にインフルエンザウィルスがやってきても症状が軽いだけで、完全にインフルエンザにかからないわけではないんですね。

また、2回打っていみがあるのか?と思う方がおられると思います。

13歳未満のお子様の場合、免疫能力も大人に比べると低いので、1回だと不十分な可能性があります。

しかし、それ以上の人に関しては、免疫力は生まれてから備わってきているので、1回の摂取で十分であるはずです。

これからインフルエンザが流行ってくる季節です。

一番の予防法は手洗い、うがい、そして良い睡眠に間違いはありません。

しっかりと予防を心がけましょう!

また、予防接種を避けてしまうことで、大流行につながってしまう恐れもあります。

最近では風疹の流行があったりなど、きちんとワクチンを接種することで流行を抑えることのできる病気が多くあります。

世界中のたくさんの命を救ってきたワクチン。

間違った情報に騙されず、しっかりと何を接種しているのかを自分で確認し、周りにも広めていけるようにしていきたいですね。

今回出てきた『抗体』についてもまた説明できたらと思います。

麻疹もインフルエンザ同様、ワクチンが大きな意味を持ちますので次の記事も合わせてお読み下さい。

麻疹の原因である麻疹ウィルスとは?症状と対策