SF映画などに登場する冬眠カプセルは実現するのだろうか?

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SF映画でよく見る『冬眠カプセル』。

宇宙船の中で主人公やその仲間たちが、長い宇宙の旅の中でも歳を取らないように冬眠カプセルに入り、はるか遠い銀河系の彼方にある目的地へと向かっている。そんなシーンを誰しもが見たことあるはずです。

『冬眠カプセル』は長旅である宇宙旅行をするには、欠かせない必須アイテムですよね。

それもそのはず宇宙の旅は光年が基準、つまり光の速さでも年単位でかかる距離を移動しなければいけないからです。

まぁワープなんかができればよいんですけどね、、、

また、壮大な宇宙のストーリーだけではなく、現代では治せない病気を患い、治療が確立される未来へと託すというようなストーリーでも使われていると思います。

はたしてそんなことが実際に可能なのでしょうか?

結論から言いますと、どうやら実現できるかもしれないのです!!!

しかし、当たり前のことですが冬眠するにあたって人間は体温が下がりすぎると心臓が停止してしまいます。

冬山で遭難した時、眠ると死んでしまうのはそのせいですよね。

それでも本当に冬眠カプセルは実現可能なのでしょうか?

体温低下による死から逃れる方法をお話するにはまず、冬眠について知るのがよさそうです。そもそも生き物たちが行う冬眠とはどういう状況なのか?

まずはそこからお話していくことにしましょう。

1.冬眠する動物たち

生物たちは様々な理由で冬眠しています。

冬になると体温を維持できなかったり、餌が少なかったりと冬場は活動するのが難しく、無理して活動するよりも厳しい環境を避けるという意味で冬眠するにはきちんとした理由があるのです。

冬眠する生き物たちがただ生きるのをさぼっているわけではありません。

冬は寒いので布団から出たくなかったり、こたつから出れなくなってしまいますけどね、、、

その方が生き物たちにとって効率が良いので、冬眠が選択されたのです。

そんな、冬眠をする生物は次のような動物たちです。

恒温動物でいうと、リスやコウモリなどの小型の哺乳類からクマのような大型の哺乳類、もちろん人間はできませんよ(笑)!

そして、一部の鳥類(ほとんどは渡り鳥などのように冬眠しません)が冬眠をします。

また、変温動物では、カエルなどの両生類、ヘビなどの爬虫類、昆虫などが冬眠するのです。

リスが必死にどんぐりを集める姿や、冬眠前に餌を求め人里に降りてくるクマなどがよくテレビで紹介されていますよね。

彼らは冬眠することで厳しい冬を乗り越えることができるのです。

では、そもそも恒温動物と変温動物とはどういった動物なのでしょうか?

2.恒温動物、変温動物

恒温動物と、変温動物とはいったいどのような動物なのでしょうか?

簡単に説明すると以下のようになります。

恒温動物:体温調節ができる機能が備わっており、ある一定の体温に保つことができる動物。

変温動物:自分で体温の調節ができず、体温が周りの温度に左右されてしまう動物。

このように恒温動物は寒くても暑くても、自分で体温をある程度調節できますが、変温動物は周りの気温に影響されてしまうのです。

私たち人間は寒くても多少、体温が下がることはあっても極端に下がったりしませんよね?

つまり、私たち人間も恒温動物というわけです。

もちろんあまりにも寒かったり暑かったりすると体温調節の限界がきてしまい生きることができませんけどね。

私たちが授業で習った頃には、哺乳類と鳥類は恒温動物で、魚類や爬虫類、両生類、昆虫は変温動物だと習いました。

しかし、最近ではこの定義は間違いであり、哺乳類の中でも変温動物のように体温調節する種類がいたり、恒温動物のように体温調節ができる魚類や昆虫が存在するそうです。

何でも一概に決めつけてはいけないということですね。

生き物たちの生態は新たな発見で満ち溢れており、教科書の内容も絶対に正しいとは限らないということを頭に入れておいておいてください。

最近ではサメが実は肉だけを食べるのではなく、消化を良くするために海藻なども食べることが指摘されたり、キリンの首の骨はほかの哺乳類と動きが異なるだったり、私たち人間が知らない動物たちのことは山のようにあるのです。

少しお話が脱線してしまいましたがとりあえず、恒温動物と変温動物の説明はここまでにしてそれぞれの冬眠の仕方が少し異なるので、それぞれの冬眠について見ていきましょう!

3.それぞれの冬眠

冬眠には以下の様に恒温動物、変温動物の違いだけではなく動物によって、タイプがあります。

・リスなどの小さな哺乳類:体温を下げ、心拍数と代謝が下がります。また、途中で起きて(覚醒)排泄や種によっては摂食を行います。

・クマの冬眠:体温を下げ、代謝を下げることで、摂食や排泄を全くしません。

・変温動物の冬眠:体温が周りの気温に合わせて下がり。仮死状態になります。心臓の動きが極限まで抑えられることになります。

このようにそれぞれが違ったやり方で冬眠しています。

冬眠と言ってもいくつか種類があるというわけなんですね!

では、初めに恒温動物である人間は体温が下がりすぎると、心臓が停止して死んでしまうと言いました。

しかし、リスやクマだって哺乳類じゃないですか!

どうして体温が下がってもなんで死なないの?と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

では、同じ哺乳類のリスたちは何故、心臓が止まらずに冬眠することができるののか?説明していきましょう!

4.低温でも心臓が動くしくみ

通常、心臓は細胞外のカルシウムイオンを取り込み、活動電位を生じさせることで心臓を収縮させています。

しかし、人間は体温が低下しすぎると、このカルシウムイオンを取り組む仕組みが上手く働かなくなり大量のカルシウムイオンを取り込んでしまうことになります。

その結果、上手く収縮することができず心臓が停止してしまうのです。

つまり、死んでしまうということですよね。

では、リスはどのようにこの心臓停止を回避しているのでしょうか?

なんと冬眠中のリスたちは、この取り込むしくみとは別にカルシウムイオンを調節し、心臓を止めることなく収縮を上手く行っているのです。

本来は、リスも人間と同じように心臓の外とカルシウムイオンをやり取りし活動電位を発生させることで心臓を収縮させているのですが、冬眠中、リスのこの機能は抑制されることになります。

そのため、人間のようにカルシウムイオンが過剰に入ってくることはないのです。

え?じゃあどうやって収縮させてるの?

それは、心臓の細胞内に蓄えられたカルシウムイオンを使い、心臓を収縮させており、そのおかげで完全に心臓は止まらずリスは死なないようにしているというわけなのです。

すごいですよね!

これは、冬眠特異的タンパク質が脳内に働きかけることで起こるそうです。

もし、この調節する仕組みを人間でも再現できれば、人間も冬眠することは可能になります。

つまり、冬眠カプセルはできるということです!

5.冬山で冬眠状態

人間にもこんな例があるそうです。

冬山に動けない状態で何日間も取り残され、奇跡的にほとんど冬眠状態として生き残った人もいるのです!

この方がリスたちと同じ仕組みで心臓の収縮が行われていたのかは定かではありませんが、低温でも心臓が止まることなく乗り越えれたそうです。

人間の体も不思議なことであふれていますよね。

ただ、死ぬ可能性が限りなく高いので、自分にもできると信じて冬山にこもらないでください!

6.さいごに

リスたちが行っている冬眠方法を再現するという手以外にも血液を全て凍らない液体に変えて冬眠する方法が考えだされていたりしています。

私たちと同じ哺乳類であるクマやリスが冬眠するように、科学の力を使い人間が冬眠することができるようになる日が近いうちにくるのかもしれません。

もしそうなれば、寒すぎる冬はずっと冬眠していたいですね(笑)

いやいや暑すぎる夏と花粉症の厳しい三月も嫌だな。

そんなことじゃ秋しか生きれないことになってしまいますね、、、

また、冬眠することで完全に歳を取らないということにはなりませんが、寿命が伸びるのは間違いありません。

冬眠するカメなんかも冬眠しない種類に比べれば寿命が長いです。

これは生理活性を抑える冬眠をすることで、体の細胞へのダメージが抑えられているからと考えられます。

『冬眠カプセル』が実現することで、遥か彼方の宇宙へ行けたり病気を治すため少し先の未来へと賭けることができる未来も迫ってきているのかもしれません。

今後のさらなる科学の発展が楽しみですね!

【4コマ劇場】

【4コマ劇場】けんじ君とみのりちゃん~冬眠カプセルが欲しいな~

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