麻疹の原因である麻疹ウィルスとは?症状と対策

2018年9月11日身体の科学

GW後半、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

楽しいGWですが、GWに入る前、気になるニュースが世間を騒がせ、未だにその状況が続いています。

そのニュースとはもちろん「麻疹の流行」ですよね。

麻疹ウィルスは沖縄へ海外からの旅行者から持ち込まれ、感染拡大。

また、感染者の移動により、東京から名古屋にも飛び火し、患者数は100人を越え、まだまだ全国に広がる可能性があります。

沖縄への3500人の旅行者がキャンセルを申請をしたそうで、患者数およびキャンセル旅行者は増える一方。

これは他人ごとでは無く、本当に気にしなければいけない状況です。

2015年、WHO(世界保健機関)から日本は、麻疹の排除状態であるとされていました。

排除状態であるとは、ウィルスが国外から持ち込まれたりしない限り、実質的に排除された状態であるということです。

しかし、国外を見てみると、まだまだ麻疹ウィルスが猛威をふるっている国は沢山あります。

年間20万人もの感染者がいるのです。

世界各地へと交通網が発展し、どこへでも行けてしまう世の中、国内だけではなく、国外の情報についても敏感にならなくてはいけません。

今回のケースも国外から持ち込まれたウィルスであり、排除認定されていたにも関わらず、このような状況になってしまっています。

これから同じようなことが繰り返されないように、対策をする良い機会かもしれません。

今回はそんな麻疹の原因となる麻疹ウィルスとはどんなウィルスなのか?から説明してきたいと思います。

1.麻疹ウィルス

麻疹とは、麻疹ウィルスに感染することで、発症する症状のことを言います。

インフルエンザウィルスに感染し、発症するのがインフルエンザというのと同じですよね。

そして、この麻疹を発症させる麻疹ウィルスとはParamyxovirus科Moribillivirus属に属するウィルスであり、感染力が非常に強く、リンパ組織にも感染するため、麻疹の発症だけではなく、免疫を抑制してしまうのです。

病原性に関係しているのはウィルスの表面にある2つのタンパク質、F(fusion)タンパクとH(hemagglutnin)タンパクであり、その感染力は、インフルエンザに比べれば、約10倍の感染力とも言われています。

とても恐ろしいですよね。

また、大きさは100~250 nmで、とても小さく、接触、飛沫により感染し、マスクでは防ぐことができず、マスクをしているから、手を洗っているから安心ではないということです。

さらに、麻疹ウィルスに感染し、麻疹を発症してしまうと、治療法はありません。

麻疹が発症してしまうと、あくまで対症療法(点滴や解熱剤の投与など)が施されるのみであり、自分の体がウイルスに打ち勝ってくれるのを安静にして待つしかないんですね。

では、感染力が強く、治療法も無い麻疹ウィルスに対抗する手段は無いのでしょうか?

2.ワクチン接種

麻疹ウィルスに対抗する手段とは、ワクチン接種です。

免疫が無い状態で感染してしまうと、治療法はありませんが、そもそも発症を防ぐ手段としてワクチン接種があります。

しかもこのワクチン接種は1回ではなく、2回打つ方が効果的であり、1回で獲得した免疫が、2回打つことによって、より強化されると考えて下さい。

また、1回目で免疫が得られないことがありますが、2回打つことで、ほとんど確実に免疫が獲得できるのです。

以前、インフルエンザワクチンのご紹介もしたので、ワクチンがどのようなものか詳しく知りたい方は⇩を合わせて読んでみて下さい。

インフルエンザワクチンの仕組みとは?身体の免疫機構について

もちろん予防接種を2回打ったからと言って、ウィルスに絶対に感染しないというわけではありませんが、症状緩和や発症を抑えることはできますよね。

2回ワクチン接種していても、体調が悪くなれば、すぐにお医者さんにいくべきだということです。

そして、2018年の現在、日本で麻疹のワクチンの接種状況はと言いますと、26歳~40歳の人々のワクチンの2回接種が約半数であり、それよりも上の人はほとんど2回受けていない状況です。

しかし、40歳以上の人の多くは麻疹にかかったことがある方が多いようで、ワクチン接種によってではなく、自然に免疫を獲得した方もいるはずです。

一方で、26歳よりも下の人は2回の接種が義務付けられているため、ほとんどの人がワクチン接種により、免疫を獲得していると言えます。

つまり、一番危ないのは、40歳以上で麻疹に感染したことがなく、ワクチン接種もしていないという人と、26~40歳でワクチン接種を1回しかしていないという人ということになります。

自分だけのためではなく、身近な人を含め周りの人のためにも、自分がワクチン接種をしたかどうかをしっかりと確認することが大切ですね。

3.麻疹の症状

麻疹の症状はインフルエンザとは全く異なり、侮ることはできません。

もし、麻疹ウィルスに対する免疫がない人が感染すると、7~14日の潜伏期間の後、38℃程度の熱や咳などの症状が現れます。

倦怠感や上気道炎症、結膜炎症状などが現れ、この期間をカタル期と呼んでいます。

カタル期は感染力が強く、他の人に一番うつす可能性が高い時期です。

ただの風邪かなと思って出歩くと、感染が拡大してしまう恐れがあるということですよね。

そして、この後、さらに麻疹の特徴的な症状が現れるのです。

体温が少し下がり、治ったかなと見せかけて、再び高熱が出るとともに、発疹が出てきます。

この発疹は耳後部、頭部、前額部から始まって、顔面全体、体幹部、上腕など、全身に発疹が広がっていくのです。

また、初めに出てきた発疹は平らなんですが、盛り上がってきてぶつぶつの様になります。

もう死ぬのか!!と思った方はご安心を、ここまでくると後は下り坂。

まだ、熱は下がりませんが、赤い発疹は暗赤色となって次第に色が抜けていきます。

3~4日間続く発熱と発疹状態が続いた後、回復の兆しが見えてくるのです。

麻疹ウィルスに感染した多くの人が同じ症状になるのも特徴であり、感染しても症状が出ない不顕性感染はほとんどなく、90%以上の人が感染すれば麻疹を発症してしまいます。

また、このような調子で7~10日間で体調が回復してくれれば良いのですが、恐ろしいことがもう1つあります。

それが、合併症状です。

4.合併症状

麻疹を発症しても死に至ることは稀です。

しかし、恐ろしいのが合併症状を引き起こすことです

麻疹ウィルスに感染することで、免疫は抑制され、体は無防備な弱った状態になってしまいます。

ここに他のウィルスや細菌などがやってきてしまうと、通常の体調では平気でも、二次感染が引きおこされ、中耳炎や肺炎、脳炎などになってしまう可能性があるのです。

本当に恐ろしい事態ですよね。

このような二次感染を引き起こさないためにも、まずは麻疹にかからないように、しっかりとワクチン接種をする。

そして感染してしまった疑いがある場合には、公共交通機関や人の多い場所などは避け、すぐに医療機関に相談することが大切です。

もし、感染者に接触してから3日以内であれば、ワクチン接種をすることで、症状が軽減される場合があるそうです。

焦らず、冷静に対処しなければいけませんね。

5.さいごに

楽しいはずのGWが麻疹のせいで、残念なものになってしまった方もおられるかもしれません。

これから更なる感染拡大にならないことを祈るばかりです。

また、GWではたくさんの人たちが全国各地に飛び回り、通常よりも激しい移動が行われているはずです。

麻疹ウィルスは感染力が非常に強いということ、そして、潜伏期間は7~14日ですので、GW終わりが特に注意しなければいけないかもしれないですね。

もし、感染した疑いがあっても、先ほども申し上げましたが、焦らず、冷静に判断し、周りへの感染の拡大を防がなければいけません。

自分と周りの身を守りましょう!

そして、ここからは余談になりますが、麻疹ウィルスだと、ワクチン接種で感染拡大を防ぐことができる手段がありますが、もし、突然変異によって生まれた未知のウィルスがパンデミックしてしまった場合、今の日本の状況だと、どうすることもできないかもしれませんね。

今回の麻疹騒動は、今後、ウィルスに対する意識をもっとしっかりとしていかなければならないという教訓となる事件なのかもしれません。