お酒を飲むとなぜ酔っぱらうのか?本当に強くなるのか?

2018年9月7日身体の科学

今回は学生の飲み会、会社の付き合い、晩酌、様々なところで私たちと密接に関わっいているお酒のお話です。

みなさんお酒はお好きでしょうか?

私は自分からはあまり飲みませんが、好きな方です。

お酒を飲むとすぐ赤くなり、眠くなってしまうので、あまり飲まないようにしているのです。

しかし、お酒を飲めば酔っぱらい、気分が高揚するので、たまにはグイっと飲みたくなりますよね。

ストレスが溜まっている時や、みんなで集まった時には特に飲みたくなります。

そんなお酒なのですが、なぜ人は酔っぱらうのでしょうか?

ジュースを飲んでも酔っぱらうことはもちろんあえりません。

なぜお酒を飲むと酔っぱらうのでしょうか?

それは当たり前なのですが、お酒にはアルコールが含まれているから酔っぱらうのです。

では、なぜアルコールが含まれていると人は酔っぱらってしまうのでしょうか?

そもそもアルコールとは何か?から今回は説明していこうと思います。

1.アルコール

アルコールは非常に身近な存在ですよね。

消毒にも使われていますし、飲料、また食品の添加物なんかにも使われています。

そんなアルコールなんですが、化学的に言えば、炭化水素の水素原子がヒドロキシ基(OH)になった物質を言います。

そんな言い方されてもわかりにくいですが、アルコールと言えば、一番身近なものはエタノールですよね。

しかし、アルコールといってもエタノールの一種類だけじゃなくて、何種類もあるんです。

例えば、エタノールの他には、飲んだら失明してしまうメチルアルコール、昔、燃料にも使用されていたメタノールなど様々なアルコールがあります。

このようにアルコールにはいろいろあり、その性質が異なってくるのです。

そして、私たちがお酒として飲んでいるのは、先ほど一番身近と言ったエタノールです。

エタノールの化学式は、

C₂H₅OH

と表されます。

見て分かると思うのですが、炭素鎖が二つで、ヒドロキシ基(OH)が1つ付いています。

間違いなくアルコールですよね!

エタノールは炭素が2つしかない短い鎖なので、ヒドロキシ基(OH)の影響を大きく受け、水と混ざりやすい性質があります。

また、水と混ざりやすくても炭素鎖を持っているので、脂にも混ざりやすいのです。

このように両方の性質を持っている物質は両親媒性と呼ばれています。

つまり、エタノールは両親媒性というわけですね。

では、なぜこのエタノールを飲めば酔っぱらってしまうのでしょうか?

2.お酒をのむとなぜ酔っぱらうのか?

お酒によって、そのエタノールの濃さは様々ですが、飲むと体の中にはエタノールがやってきます。

そして、やってきたエタノールは腸で吸収され、血液に混ざっていくのです。

吸収され、血液に混ざっているエタノールは、肝臓で分解され始めますが、分解しきれないものは体中を巡ります。

血液に乗って体中を巡るということは、当然脳にもやってくるということです。

では、エタノールは脳で何をやらかすのでしょうか?

なんと、脳にやってきたエタノールは大脳を麻痺させてしまうのです!

本来、分子は脳にあるフィルター『血液脳関門』によって、侵入することはできませんが、エタノールはここを通り抜けてしまうのです。

麻薬や覚せい剤、ニコチンなんかもそうですね。

そのせいで集中力、抑止力、判断力などが低し、本能がむき出しとなりお酒に酔った状態となります。

いつも抑えてくれている部分を麻痺させるので、そりゃ気持ちよくなりますよね。

そして、エタノールは脳の神経細胞を殺すわけではありませんが、ダメージを与え、機能を低下させることで、麻痺させているのです。

ただ、大量に飲みすぎない限りはすぐに修復されるレベルのダメージなので、心配はご無用です。

もし、一気に大量に飲みすぎると吸収されたアルコールを処理しきれず、アルコールの血中濃度が高くなっていきます。

すると、脳の中枢神経までもを麻痺させてしまい、呼吸もできなくなってしまうのです。

これが『急性アルコール中毒』となるわけです。

本当に気を付けなければいけません。

調子に乗って大量に飲むのは大変危険なんですね!

お酒で酔っぱらうとは脳を麻痺させているということです。

正しく、楽しくお酒は楽しまなければいけませんね。

では、お酒を飲むと赤くなったりするのはなぜなのでしょうか?

3。お酒で赤くなるのはなぜ?

お酒を飲むとすぐに赤くなってしまう人がいますよね。

実際に私もそうです。

すぐ赤くなってしまうのでとても心配されてしまいます。

では、なぜ赤くなってしまうのでしょうか?

先ほどアルコールは、肝臓で分解され始めるといいました。

肝臓では、最終的にアルコールは水と二酸化炭素にまで分解されるのですが、いきなりそんな細かくできるわけではありません。

まず、初めにアルコール脱水素酵素が働き、アルコールは『アセトアルデヒド』という物質へ姿を変えます。

アセトアルデヒドはさらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解されます。

さらにさらに、酢酸が分解されて二酸化炭素と水になって体外へと、放出されていくということです。

アルコールを分解するには段階が必要なので、なんだか大変なんですね。

飲むのは簡単だけど、排出するのは難しいのかもしれません。

そして、この過程に赤くなってしまう答えが隠れています!

その正体は『アセトアルデヒド』です!

このアルコールを分解する過程ででてくるアセトアルデヒドですが、実は毒性をもつ悪い存在です。

つまり、アセトアルデヒドは有害物質なのです!

毒性を持つアセトアルデヒドが血液に増えてくれば、心拍数が上がり、皮膚が赤くなったりします。

つまり、赤くなる原因はアセトアルデヒドだったというわけですね。

ただ、赤くなる人ももちろんいますが、赤くならない人もいますよね!

赤くならないお酒に強いと呼ばれる人たちですが、そこにはどんな差があるのでしょうか??

4.赤くなるならないの差は?

赤くなる原因は、アセトアルデヒドであると言いました。

ここでピンときた方も多いのではないでしょうか?

赤くならないということは、その原因であるアセトアルデヒドをすぐに分解してしまえるということです。

実は、すぐに赤くなってしまう人はアセトアルデヒドを分解する能力が非常に低いのです。

まさか!有毒物質を分解できないなんて!

その能力の差はもちろんアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の差から生まれます。

特にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の1つである、ALDH2に起因していると言われています。

酵素はタンパク質であり、アミノ酸がたくさん連なって立体構造をとったものです。

このALDH2は517個のアミノ酸からできており、赤くなる人と赤くならない人で違う部分があります。

その違いはたった1つのアミノ酸で、487番目がグルタミン酸であるかリシンであるかの差、でしかありません。

たった一つ違っただけでそんな差はないでしょ!

と思うかもしれませんが、赤くなる人と赤くならない人の分解能力の差はなんと、16倍もあります。

また、赤くなる人の中には、ALDH2でアセトアルデヒドを全く分解できない人もいるのです。

アセトアルデヒドを分解する能力を持っていないということですね!

このアミノ酸の違いは、人の設計図である遺伝子の違いで起こります。

たった一つのアミノ酸、されど一つのアミノ酸、非常に重要なんですね。

日本人を含む黄色人種とモンゴル人種はお酒の弱い人が多いですが、白人と黒人にはこの一個違いの酵素はほとんど存在しません。

つまり、白人と黒人はアセトアルデヒドを分解する能力が高いのでお酒に強いのです。

外国のかたがお酒をぐびぐび飲んでも大丈夫な理由がわかりますよね!

なぜなんだ日本人!

どうしてそんな進化を遂げていったのでしょうか?

それはわかりません。

日本にも地域によって差があったりするので面白いですね。

良くお酒を飲む地域の人が強いのは、お酒が強い人たちばかりが生き残っていったせいなのかもしれませんね。

海外では、文化の違いも影響しているのかもしれません。

そして、お酒をいっぱい飲めば強くなる!という人がいますが、そもそも遺伝的にこの酵素の能力が決まってしまっているので、お酒は飲んでも飲んでも強くなりません。

それでも、いやいやお酒は強くなるんだ!俺がそうだから!と言い張る人がいると思います。

確かに、お酒を飲み続けるとアルコールを分解する能力は上がります。

しかし、この分解過程とはまた違った過程でそれが行われているのです。

いったいどんな過程なんでしょうか?

5.お酒は強くなるといわれているけどなぜ?

先ほども言った通り、遺伝的に酵素の能力が決まっているので、いくら飲んだとしてもお酒には強くなりません。

弱い人は弱いし、強い人は強いのです。

では、なぜ昔からお酒を飲めば強くなるといわれているのでしょうか?

実は違う過程でもアルコールは分解されていくのですが、その過程が関係しているのです。

その過程を『MEOS』と呼んでいます。

このMEOSはいくつかの酵素が集まって成り立つのですが、肝臓がアルコールを分解する能力を超えた時から働き始めます。

また、このMEOSは飲めば飲むほど能力が増すので、お酒を飲めば飲むほど強くなるとはこのことを言っているのです。

しかし、能力を超え、無理をさせての分解過程なので、アルコールを分解する時に有害な物質を出してしまいます。

それの物質こそが『活性酸素』です。

活性酸素が出てくれば、肝障害を引き起こす可能性が高まってしまいます。

なので、本当はこの無理して働かせる能力を育ててはいけないのです。

また、MEOSは飲み続けることで能力は上がるのですが、飲むのをやめてしまえばすぐに元に戻ってしまいます。

弱い人が久々に飲むとすぐダメになってしまうのはそれが理由だったんですね。

アセトアルデヒドも分解できず、体に長いこと影響を与える上に、活性酸素が肝臓を攻撃するってもう悪循環極まり無いですよね。

なので、飲めない人は無理をしない方が良いのです。

ちなみにMEOSは薬も一緒に分解してしまうので、お酒と一緒に薬を飲んではいけない理由もここにあります。

6.さいごに

お酒が人に与える影響を知れば、自分に合った飲み方ができるはずです。

アルコールパッチテストと言って、すぐに確認できる方法もあるので、ぜひ試してみて下さい!

方法は下に記します。

☆アルコールパッチテスト

方法

1.市販の消毒液を、ガーゼやバンドエードに染み込ませます。

2.染み込ませた物を上腕の内側に貼り付けます。

3.7分程度経ったところで、肌の色を確認します。
  ※完全に剥がしてはいけません。

4.そして、初めから10分後の肌の色を確認します。

テスト結果

7分ほどで赤い お酒が弱すぎる人
→ALDH2が不活性である可能性が高い

10分後に赤い お酒が弱い人
→ALDH2の活性が弱い可能性があります。

10分後に赤くない お酒が強い人
→ALDH2がしっかり働いてくれています。

テストの結果はいかがでしたか?

お酒は自分に合った量ならば体に良いと言われていますし、たまには気分を高揚させたいですよね。

ただ、完全にアセトアルデヒド脱水素酵素が欠損している人は、飲まない方がよいと思います。

自分がどのような体質であるのかを調べるのも、今後お酒と仲良く向き合っていくための大事なポイントになりはずです。

もちろんはめを外してお酒を飲むのは楽しいですが、本当にそれが良いことなのでしょうか?

確かに現代社会は本能を抑えつけ、ストレスがかかってくる世の中です。

ストレスも溜まりますよね。

だからはめを外したくなる気持ちもわかります。

しかし、自分の体のことも相手の体のことも考え、お酒は適度に楽しんで飲みましょう!